山辺田遺跡の出土品(11)

前回は、1610年代~30年代頃に生産された砂目積みの染付小皿について記しました。今回も同じ頃に生産された、別のタイプの染付小皿をご紹介します。

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染付草文型打ち小皿

写真の皿は、花形に型打ち成形されており、内面の中央部には簡素な草文が描かれています。この他には染付文様は付されていないのですが、型打ち文様のおかげで、それほどさびしい感じはしません。

型打ち成形は、磁器の成立とともに出現する技法で、当時の朝鮮半島にはありませんでした。そのため、磁器成立以前の陶器には使われていませんが、成立後の陶器には見られるようになります。呉須の用法などもそうですが、型打ち成形なども、おそらく中国系の技術導入によるものと推測されます。

前回ご紹介したような砂目積み皿は、目積みの邪魔にならないように、染付文様は原則的に内面の口縁部に配します。一方、花形に型打ち成形するような皿は、型打ち文があるため縁には施文せずに、内面のまん中に文様を描きます。もっとも、口縁部を窓状に型打ちして、それぞれの窓に染付文様を配すタイプもありますが、一般的な花形にしたものより染付の色調も良好で、施文の丁寧さもかなり異なります。

砂目積み皿と花形に型打ちした皿は、いずれも比較的簡素な文様が描かれることが多いのですが、重ね焼きしない分、型打ち成形の方が、砂目積みの皿よりもランクが上の製品ということになります。ただし、無文の白磁の場合は重ね焼きすることもあり、重ね焼きされた皿の一番上に乗せて窯詰めされることも珍しくないので、1ランクというよりも半ランク上くらいでしょうか。

こうした花形に型打ち成形した皿はだいたいどこの窯でも出土するのですが、型打ち文様がある分、高価な呉須を用いる染付文様は少なくて済みます。そのため、相対的に磁器の中でも低ランクの製品を焼いた窯の方が、割合が高くなります。迎の原窯跡などが端的な例ですが、山辺田の窯場でもそれなりに出土します。(村)H28.9.16

 

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