韓国サムルノリ事情/陶祖祭と陶器市

今年4月28日から5月5日までの8日間、有田陶器市で「プンムルノリ」公演を行った公州芸能演戯版は、ケンガリ奏者金東煕(52歳)率いる12名。韓国忠清南道公州市の鶏龍山陶芸村に本拠地を置く演戯集団です。そこは有田町や有田焼業界、佐賀県などが平成2年に建立した「陶工李参平公記念碑」がある所。すなわち有田焼陶祖李参平公の故郷です。

今回の8日間に及ぶ滞在交流は「通訳無し」で過ごしました。唯一、今後の交流方針を協議した5月2日だけ通訳を雇いました。その日以外は、片言の英語と身振り手振り、そして〆は便利な韓国語「カムサハムニダ」のオンパレードでした。

その貴重な5月2日は通訳が同席して、今後の交流方針を民間交流議定書(素案は韓国側で作成)としてまとめました。5時間かけた議定書の仮調印が終わったところで、交流課題の「農楽」について尋ねましたので、その答えを整理してみました。

  • 朝鮮半島では14世紀に、鉦や太鼓など打楽器芸能「プンムルノリ」が流行した。
  • この「プンムルノリ」は、ケンガリ:真中製の手持ち鉦がリズムを主導し、チン:ドラに似た大型鉦、プグ:大きな太鼓、チャンゴ:鼓に似た中型太鼓、ソゴ:手持ち太鼓それに笛なども加わり、大勢の楽団となって演戯して廻る。
  • 今や、韓国での年中行事では必需の国民的芸能で、今冬の平昌五輪の開会式、閉会式でも演奏されていた。
  • 一方「サムルノリ」は室内版で、ケンガリ・チン・プグ・チャンゴを座って演奏する。ソウル五輪の頃に職業演奏集団が誕生した。
  • 「農楽」という言葉については、1919~1945年のいわゆる日帝時代に、駐留政府

が、きつい農作業の合間に楽しむ音曲を「農楽」と呼んだのが始まり。

私は、5の説明を聞いて、今後は「農楽」という言葉を使わない、と心に決めました。

 

この伝統芸能は、韓国人の国民生活に欠かせないものらしく、ケンガリの甲高いリズムが流れ始めると、韓国人は血が湧きあがるのだそうです。そしてこの激しいリズムは、体内から病を、地域から悪霊を追い払う、と信じられています。韓国内の奉祝行事や年中行事に欠かせない存在なのでしょう。公州芸能演戯版の金東煕自身も、事故後の闘病生活から立ち直れたのは、この「プンムルノリ」だったそうです。

私は、2年前の有田くんちの時から「あの音がどがんかならんとな」と言う町民の声を、多く聞いてきました。韓国から今度は「陶器市に来て演奏したい」という声に、私は、加勢人不足と音の問題から、陶器市公演には初めは、否定的でした。

何故、それでも陶器市公演をしたいのか、私は通訳を介して聞いてみました。金東煕は、陶器市の7日7夜は、有田焼を興した朝鮮陶工の恩義に有田町民が感謝し、日本国内から有田焼ファンが集まる祭事、と考えていたようです。そういえば彼らは以前から「陶器市公演」ではなく「陶祖祭公演」と呼んでいました。その「陶祖祭公演」の一環として滞在期間中に「祖国出身の陶工の霊を敬いたい」と、朝鮮陶工ゆかりの史跡4か所、墓地3か所に登って韓国式慰霊の演奏を行い、陶祖祭最終日に有田を後にしました。

黒髪酒呑童

 

チャンゴ4姉妹の舞

△陶器市の札の辻交差点でチャンゴ4姉妹の舞(5月4日)

慰霊演奏

△黒牟田山頓六碑前で慰霊演奏(5月1日)

 

問い合わせ

商工観光課 陶都有田国際交流協会
〒849-4192 佐賀県西松浦郡有田町立部乙2202番地
電話:0955-46-2500 ファックス:0955-46-2100

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