令和5年秋、全国の工芸分野の国指定重要無形文化財が佐賀・有田に集結します。
演劇・音楽などの芸能や、工芸技術といった目に見えない“わざ”のうち、歴史上や芸術上の価値が高いものを「無形文化財」と言います。個人での指定と団体指定があり、国による個人指定されたものが、いわゆる「人間国宝」と通称されるものです。
このような国の重要無形文化財の中で、全国に16ある工芸技術分野の団体指定の文化財保持団体では、現在、それを所管する市町村とともに「全国重要無形文化財保持団体協議会」(以下、全重協)を組織しており、有田町からは、国指定の「柿右衛門製陶技術保存会」と「色鍋島今右衛門技術保存会」が加盟しています。全重協では、日本の伝統的な工芸技術を守り、伝え、発展させていくため、年に一度の「大会」と、それに合わせて各保持団体の作品を一堂に会する「秀作展」を、加盟市町村が持ち回りで開催しています。
(画像は2022年美濃大会の様子)
節目の第30回となる令和5年度は、有田町が担当となっており、記念すべき第1回の「記念大会」となっています。
本大会は、有田町が包括的連携協定を結ぶ佐賀大学と協力して大会と秀作展を実施します。
特に佐賀大学芸術地域デザイン学部は、芸術を通した地域創生に貢献する人材育成を目標に掲げており、まさに地域に根差した匠の技と美を現代に伝えている全重協の各保持団体と協力することで、互いに新しい視点の発見や、よい影響を与え合うことを期待しています。今大会のメインコンテンツとして、「柿右衛門製陶技術保存会」と「色鍋島今右衛門技術保存会」の姿を、若い学生の目線によるドキュメント風の映像で表現しようと、令和4年度より撮影を開始し、現在はその編集作業を行っています。大会及び秀作展での公開をどうぞご期待ください。ほかにも、14代今右衛門氏、15代柿右衛門氏へ対する若者からの「100の質問」や、秘蔵映像などを順次YouTubeで公開していく予定です。(画像は今右衛門窯での撮影風景)
また秀作展は、会場を佐賀大学美術館にて行うことで、若い世代の方々にもっと伝統技術への関心を深めてもらい、世代を超えて、一流の無形文化財のすばらしさを肌で感じていただきたいと考えています。
第30回全国重要無形文化財保持団体協議会佐賀・有田大会
【日程】 令和5年11月9日(木)~11月10日(金)
【会場】焱の博記念堂、ほか町内各地
※大会は、全重協関係者の参加となりますが、佐賀大学と協力して作成した映像の放映会は、一般の方の見学も可能です。申込が必要となりますが、詳細は後日HPでご案内します。
映像放映予定時間:11月9日(木) 16:20~18:20
第29回重要無形文化財保持団体秀作展「日本の伝統美と技の世界」
【会期】令和5年11月9日(木)~11月26日(日)
【開館時間】10:00~17:00
【休館日】月曜日
【会場】佐賀大学美術館[佐賀市本庄町1番地]
【入館料】会期中無料
【展示内容】
【関連事業】
… 11月14日(火) 町内小学生対象(一般参加不可)
… 11月17日(金) 申込方法などは後日HPでご案内します。
… 11月19日(日) どなたでも参加いただけます。申込方法などは後日HPでご案内します。
柿右衛門(濁手)~柿右衛門製陶技術保存会~ (佐賀県) |
色鍋島~色鍋島今右衛門技術保存会~ (佐賀県) |
小鹿田焼~小鹿田焼技術保存会~ (大分県) |
小千谷縮・越後上布~越後上布・小千谷縮布技術保存協会~ (新潟県) |
結城紬~本場結城紬技術保持会~ (茨城県・栃木県) |
久留米絣~重要無形文化財久留米絣技術保持者会~ (福岡県) |
喜如嘉の芭蕉布~喜如嘉の芭蕉布保存会~ (沖縄県) |
宮古上布~宮古上布保持団体~ (沖縄県) |
久米島紬~久米島紬保持団体~ (沖縄県) |
伊勢型紙~伊勢型紙技術保存会~ (三重県) |
輪島塗~輪島塗技術保存会~ (石川県) |
津軽塗~津軽塗技術保存会~ (青森県) |
石州半紙~石州半紙技術者会~ (島根県) |
本美濃紙~本美濃紙保存会~ (岐阜県) |
細川紙~細川紙技術者協会~ (埼玉県) |
越前鳥の子紙~越前生漉鳥の子紙保存会~ (福井県) |