有田の文化財⑭ -山辺田窯跡-

第14回は、「山辺田窯跡」です。
所在地は有田町黒牟田丙2983〜2991,3294他にあります。1980(昭和55)年3月24日に国の指定史跡になっています。

発掘調査は、1972~1975年に有田町教育委員会が調査を行っています。
報告書は、有田町教育委員会が1980年に「佐賀県有田町山辺田古窯址群の調査(遺構篇)」を刊行後、1986年に「佐賀県有田町山辺田古窯址群の調査(遺物篇)」を刊行しています。

有田で最も早く成立した黒牟田山の窯場で、1600〜1650年代ごろに操業していました。発掘調査で確認された1号~9号窯跡のうち、5号窯跡を除く8基の窯体が発見されました。窯跡から出土した遺物のうち、1640〜1650年代のものが確認され、いわゆる古九谷様式の色絵大皿の素地を量産した窯場として知られています。近年では、窯跡の南側の平地で発掘調査を行い、山辺田遺跡の存在が明らかになりました。

出土品は1・2・4・6・7号窯から陶器・磁器、 3・8・9号窯からは磁器が出土しています。主なものとしては、1・2号窯から染付の入っていない色絵素地が多く目立ち、磁器製品も出土しています。3号窯は染付の入っている色絵素地が目立ちます。4号窯からは、複数の窯から混在している可能性が高いものの、焼成室床面に胎土目積みや砂目積みの陶器皿、碗が出土しています。6号窯からは、色絵素地と1650年代頃の染付中皿が、7号窯からは、1620~30年代頃の染付瓶や、大皿が出土しています。8・9号窯跡からは染付の皿や碗、白磁の皿が出土しています。

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 山辺田窯跡遠景(手前が山辺田遺跡) 山辺田窯跡

現在は、埋戻されたのちに整備されており自由に見学ができます。車で来られた方も陶山社の近くに駐車場がありますのでそこに停めて、遺跡の方へ行くことができます。窯跡周辺は季節によって虫が多いので対策をして見学してください。(伊)H28.10.6

 

問い合わせ

文化財課 歴史民俗資料館
〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号
電話:0955-43-2678 ファックス:0955-43-4185

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