有田の文化財⑮ -天神山窯跡-

第15回は、「天神山窯跡」です。
所在地は有田町稗古場二丁目1946,2044-2・3・5他にあります。1965(昭和40)年3月10日に町の指定史跡になっています。

天神山窯跡は、1990年に有田町教育委員会によって発掘調査が行われました。その後、1991年に報告書を刊行しました。

天神山窯跡は1630〜1660年代ごろに操業していた、稗古場山の窯場の内の一つです。稗古場山の窯場は、武雄から一族を連れて移り住んだ百婆仙ゆかりの窯場とされています。また、天神山窯跡は近接する稗古場窯跡(次回紹介予定)と併存したと考えられます。1990年に行った発掘調査では登り窯は発見されず、窯体は壊滅した可能性が高く、物原(失敗品の捨て場)の一部だけを確認しました。物原の一部から確認された製品の分布やその年代幅などから、おそらく窯体は1基のみであったのではと推測されます。
出土した遺物の年代は1630~1660年代のもので、いわゆる初期伊万里焼と称される製品から海外輸出向けの製品まで見られます。磁器製のものがほとんどですが、陶器も見られます。器種は碗・鉢・皿が大半を占め、その他に瓶・香炉・小杯や瑠璃釉の製品も多く目立ちます。

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天神山窯跡 (全景)

現在は、草木が生い茂っていますが、近くまで行くことはできます。しかし、調査結果でもわかっている通り、現地には焼き物の破片や、窯道具等も散乱していますが、窯体の所在は分かっていないので、天神山窯跡はここにあったということがわかるくらいではあります。現在は閉園しているしらかわ保育園の前に車を停めることができますが、直前が狭い道となっていますので、気を付けて下さい。(伊)H28.10.20

 

 

問い合わせ

文化財課 歴史民俗資料館
〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号
電話:0955-43-2678 ファックス:0955-43-4185

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