有田の文化財⑯ -稗古場窯跡-

第16回は、「稗古場窯跡」です。
所在地は有田町稗古場二丁目2069-1,2072-2,2073-1他にあります。1965(昭和40)年3月10日に町の指定史跡になっています。

稗古場窯跡は、1958(昭和33)年に古伊万里調査委員会によって調査が行われました。その後1959(昭和34)年に同じく古伊万里調査委員会によって刊行された「古伊万里」という書籍に調査成果が報告されています。

有田の内山地区で早くに成立した稗古場山の窯場の一つで、1620〜1630年代から近代まで続いていました。前回の天神山窯跡と同じく、百婆仙ゆかりの窯とされています。この窯跡からは17世紀前半に操業した窯体と、江戸時代後期以降の窯体が発見されています。1814(文化11)年に記されている記録や、1859(安政6)年に描かれている絵図からは、17の焼成室が確認されています。
主な出土品は、染付の碗・皿・鉢・壺で、主に皿を生産していたようです。また、調査時に出土した多くの資料が町の教育委員会に保管されており、それらからは17世紀~19世紀のものが確認されています。

現在、草が茂ってはいますが近くまで行くことはできます。しかし、調査時の穴がそのまま残っているので、落下や怪我をしないよう気を付けてください。車は窯場の正面に一時的に停めるよりは、近接した天神山窯跡の方に停めて両方の窯跡をご見学ください。

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稗古場窯跡 調査時の穴(現在)

話は変わりますが、この稗古場から比較的近いところで、10月29日(土)より9日間の期間限定で、「有田異人館」のお披露目会を開催します。この機会を逃しますと、次の開館は正式公開の来年の4月です。期間中に是非ご覧になってはいかがでしょうか。(伊)H28.10.27

 

問い合わせ

文化財課 歴史民俗資料館
〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号
電話:0955-43-2678 ファックス:0955-43-4185

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