今日、何があった?⑥-3 若楠国体 続々編

関連収蔵資料がまだあるので、今週も引き続き若楠国体について紹介します。
旧有田町では昭和48年に国体誘致が正式に決定すると、同年4月に国体準備室を設置し、5月には国民体育大会有田町実行委員会を設立、49年には準備室は国体担当課に改められ51年8月には国体実施本部が設置されます。実行委員会の様子の写真も残されています。また、実行委員会事務局の看板も当館で収蔵しています。

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写真:実行委員会事務局看板

また町民運動として「あいさつ運動」「花いっぱい運動」「時間を大切にする運動」が展開されています。特に花いっぱい運動に関しては、当時の広報ありたや広報にしありたでも詳細が報告され、たくさんの団体が参加しています。

さらに、佐賀県実行委員会式典専門委員会では大会のシンボルとなる炬火(きょか)の採火について、県内のスポーツの普及と産業の発展を祈念して農業・林業・漁業・商工業の4つの部門に関する火を、県内8か所の、歴史的に由緒ある地もしくは県民に親しまれている地で採火を行い、それぞれに「村のさかえの火」「山のさかえの火」「海のさかえの火」「町のさかえの火」という名称を付けました。実施日は51年10月15~16日、採火の方法は太陽光を凹面鏡で集める方法、「ひきり」による方法、神火から分火のいずれかで採火しました。
この8か所の1つが、有田町の陶山神社でした。広報ありた昭和51年11月号によると、「町のさかえの火」を10月15日午前11時、太陽熱利用によって採火する方法がとられましたが、この日はあいにくの天気で採火に手間取り、窯元の火を使っては…と気を持たせる一幕もあったようです。

こうして各地で部門ごとに採火された火を「若楠の火」として一つに集火する式典が、昭和51年10月18日県庁にて行われ、リレー隊が出発しました。コースは反時計回りに県内を一周するもので、23日に佐賀市役所に到着、10月24日開会式場の佐賀県総合運動場に入場し炬火台に点火されました。

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写真:若楠の火 炬火リレーランナーの引継ぎ
(「いつまでも伝えていきたい西有田 ふるさと思い出アルバムにしありた」より)

今回のブログの作成に当たっては、佐賀県公文書館より情報提供をいただきました。佐賀県公文書館では、県が保存している明治期からの県の公文書・行政資料等の歴史的文書を閲覧することができます。興味がある方は、問い合わせてみてはいかがでしょうか。(場所:佐賀県庁南館2階 電話:0952-25-7365

URL:http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00327911/index.html

ちなみに、国民体育大会は現在2巡目に入り、佐賀県は2023年の開催が内々定しています。(永)H29.11.8

 

問い合わせ

文化財課 歴史民俗資料館
〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号
電話:0955-43-2678 ファックス:0955-43-4185

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