賓客来町

先週は秋の陶磁器まつりが行われていて、町中は多くの観光客で賑わっておりました。そのための来訪ということではないのですが、長崎出島に架かっていた橋の復元竣工式にご出席のため、九州入りをされていたオランダ王国のローレンティン王妃と秋篠宮妃殿下が有田町を訪問されました。24日午前中、九州陶磁文化館をご訪問後、当館に隣接する泉山磁石場を見学されました。また、翌25日には駐日オランダ王国大使もお越しになり、石場を見学されました。

ところで、これまでに有田町にはどれくらいの皇室関係者がおみえになったでしょうか。記録を辿ってみると、明治21年(1888)の有栖川宮熾仁親王をはじめ、大正9年(1920)梨本宮守正殿下・同伊都子妃殿下、同13年(1924)久邇宮邦彦殿下、同14年(1925)伏見宮博恭殿下・同妃殿下、同15年(1926)閑院宮載仁殿下が来町されています。昭和の時代になると昭和24年(1949)を皮切りに昭和天皇は5回も来町されていますし、他にも三笠宮様や常陸宮様など多くの皇室関係者をお迎えしています。直近では、昨年の有田焼創業400年記念式典に日本工芸会総裁であられる眞子内親王殿下をお迎えしました。

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   泉山を見学中の梨本宮ご夫妻「泉山枉駕記」より

また、オランダと有田は江戸時代の17世紀中葉からのお付き合いがあります。といっても、当時は友好関係を意識したものではなく、そのころの有田の人々は、自分たちが作った焼き物がオランダや諸外国に販売されていったことは知らなかったかもしれないし、それがどのような場所で、どのような人々が、どのように使っていたかも知らないまま、でも、難しい注文にも懸命に応じようとしたことが、現存する当時の焼き物などから窺い知ることができます。
オランダ王国大使は、オランダにはこの場所で採掘した陶石を使った有田焼(古伊万里)があるということで、有田とオランダは「血がつながっている」という表現をされました。江戸時代の人々が無意識のうちに成し遂げた史実ですが、今の時代も生き続けているのだと思ったところです。

さて、そのような日々を過ごしているうちに、早や、有田皿山は冬の気配を感じるころとなってきました。寒さが苦手の身には辛い季節到来ですが、老体に鞭打ちながら頑張ってみようと思います。(尾)H29.11.28

 

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文化財課 歴史民俗資料館
〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号
電話:0955-43-2678 ファックス:0955-43-4185

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