○有田町家畜特別導入事業基金条例施行規則
平成18年3月1日
規則第42号
(趣旨)
第1条 この規則は、有田町家畜特別導入事業基金条例(平成18年有田町条例第54号)第6条の規定に基づき、家畜導入事業の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
(事業の内容)
第2条 この事業は、町長が肉用繁殖雌牛を計画的に購入し、肉用繁殖雌牛の貸付けを受けようとする農業者(以下「導入対象者」という。)に一定期間貸付後その者に譲渡する事業とする。
(導入対象者)
第3条 この事業の導入対象者は、町内に住所を有し、次の各号のいずれかに該当する者で、肉用繁殖雌牛の飼養計画を有し、肉用繁殖雌牛を継続して飼養することが確実なものとする。
(1) 満60歳以上の者
(2) 前号に掲げる者以外の者で、新たに肉用繁殖雌牛の飼養を開始する者及び肉用繁殖雌牛の飼養を始めて5年未満の者。ただし、肉用繁殖雌牛の飼養開始から5年間に限り導入できるものとする。
(3) 農業経営において基幹的役割を果たすべき者が、1箇月以上季節労働等により農作業に従事できない農業経営の世帯に属し、成年に達しているもの
(貸付けの決定)
第5条 町長は、導入対象者選定基準(別記第1)に即して、前項の畜産経営計画書を適正に審査の上、貸付けの適否の決定を行い、その旨を貸付申込者に通知するものとする。
(導入対象家畜)
第6条 貸付けの対象となる家畜(以下「導入家畜」という。)は、黒毛和種で、子牛登記書又は血統登録書を有する次の各号に掲げる肉用繁殖雌牛とする。
(1) 繁殖の用に供する肉用育成雌牛(生後4箇月齢以上18箇月齢未満のもの)
(2) 繁殖の用に供する肉用成雌牛(生後18箇月齢以上4歳未満のもの)
(3) 導入対象者の生産に係る肉用育成雌牛
(4) 第17条第1項の規定により返納された肉用繁殖雌牛
(導入家畜の購入)
第7条 町長は、次の方法により導入家畜を購入するものとする。
(1) 町長が家畜市場から購入する。ただし、町長自ら購入することが困難である場合は、他の機関(農協等)に委託して購入することができるものとする。
(2) 家畜市場と事業実施地域との地理的条件又は家畜市場の開催時期等の関係から家畜市場を通じ購入することが困難なため、肉用牛繁殖農家又は繁殖育成センターから直接購入する場合は、別記第2に定める家畜評価委員会を開催し、家畜市場価格を勘案の上適正な評価を行い購入するものとする。
(3) 導入対象者の生産に係る肉用育成雌牛の評価についても、前号に準じて行うものとする。
(導入家畜の引渡し)
第8条 導入家畜の引渡しは、原則として導入対象者の庭先とする。
(基金からの取崩し)
第9条 町長は、導入家畜の購入額(家畜購入費と購入に要した諸経費の合計額)を1頭ごとに計算し、有田町家畜特別導入事業基金から取り崩すものとする。
2 1頭当たりの取り崩し上限額は、71万円以内の額とする。ただし、町長が導入対象者の経営状況等を考慮し特に必要と認める場合には、上限額を超えて取り崩すことができるものとする。
(貸付契約の締結及び貸付期間)
第10条 町長は、原則として導入家畜を導入対象者に引き渡した時点で導入対象者との間で肉用繁殖雌牛貸付契約書(様式第3号)により貸付契約を締結するものとする。
2 導入家畜の貸付期間は、肉用育成雌牛5年間、肉用成雌牛3年間とする。ただし、返納された肉用繁殖雌牛については、当初導入時における貸付期間の残余の期間とする。
3 町長は、第1項の貸付契約書の締結に当たって、導入対象者に連帯保証人を立てることを要請することができる。
(導入対象者の義務)
第11条 導入対象者は、貸付期間中、次の事項を遵守するものとする。
(1) 善良な管理者の注意をもって飼養管理に当たること。
(2) 導入家畜を家畜共済に付すること等により債務の履行に万全を期すこと。
(3) 家畜保健衛生所の指導等により導入家畜の伝染病等の予防のための注射等を行うこと。
(4) 導入家畜の飼養管理費を負担すること。
(5) 町長に、貸付期間中毎年度、年度末の飼養頭数を飼養頭数報告書(様式第4号)により報告すること。
(6) 畜産経営計画書の飼養計画の達成に努めること。
(7) 次の事態が生じた場合には、遅滞なくその旨を町長に報告すること。
ア 導入家畜につき、盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があったとき。
イ 導入対象者が疾病にかかる等により飼養管理を継続することが不可能となったとき。
ウ 導入対象者が農業労働力、経営農用地の面積等の変動その他の事情により畜産経営計画書に掲げた肉用繁殖雌牛の飼養が困難となったとき。
(導入家畜等の管理)
第12条 町長は、導入家畜管理台帳(様式第5号)を備え、貸付家畜に関する記録を整備するものとする。
2 町長は、導入対象者台帳(様式第6号)を備え、導入対象者からの報告等により貸付期間中毎年度末時点の導入対象者の家畜飼養状況を把握しておくものとする。
(導入対象者に対する指導)
第13条 町長は、導入対象者の畜産経営計画書の達成及び飼養管理技術の向上等のため定期的(毎年度1回以上)に指導を適切に行うものとする。
(導入家畜の譲渡)
第14条 町長は、導入家畜の貸付期間が満了したときは、導入家畜を導入対象者に譲渡するものとする。ただし、町長は、特別な事情により貸付期間が満了する前に、導入対象者から譲渡の申請がある場合は、導入対象者の経営内容等を勘案し貸付期間満了前の譲渡を判断するものとする。
(導入家畜の譲渡価格)
第15条 導入家畜の譲渡価格は、導入家畜の購入価格(家畜市場価格)と購入に要した諸経費(家畜市場手数料、委託購入手数料、購入旅費、輸送経費等)の合計額とする。
2 返納された家畜をその残余期間新たに貸し付けた場合であっても、当該家畜の譲渡価格は、前項に規定する額のとおりとする。
(譲渡対価の納付)
第16条 導入対象者は、貸付期間が満了した時に町長の発行する納付に係る通知書により導入家畜の譲渡対価を町に納付するものとする。
(導入家畜の返還)
第17条 町長は、貸付期間中に次の事態が生じたときは、導入対象者との契約を解除するとともに、導入対象者に貸し付けしている導入家畜の返還命令をすることができる。この場合においては、導入対象者は、町長の指示に従って導入家畜を町長に返納しなければならない。
(1) 導入対象者がこの事業の目的に反した場合又は貸付契約に従わない場合であって、町長が導入対象者に導入家畜の飼養管理を継続させることが不適当であると認めたとき。
(2) 導入対象者が疾病にかかった場合等であって、町長が導入対象者に導入家畜の飼養管理を継続させることが困難であると認めたとき。
(3) 導入対象者が畜産経営計画書の達成を著しく怠っていると認めたとき。
2 返納された肉用繁殖雌牛を、再度貸付けすることが困難となった場合には、町長は、知事の承認を受けて、当該家畜を売却処分することができるものとする。
3 前項の売却処分をする場合において、家畜市場以外へ売却するときは、町長は、家畜評価委員会を開催し、当該家畜の評価を行わなければならない。
(損害賠償)
第18条 貸付期間中に導入家畜につき、盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があった場合において、当該事故が導入対象者の責めに帰すべき理由によると認められるときは、導入対象者は、その損害を賠償しなければならない。
2 導入家畜の事故についての賠償責任の有無の判断は、通常の飼養管理を判断基準とするものとする。
3 損害賠償の基準は、おおむね次のとおりとする。
(1) 事故が導入対象者の故意又は重大な過失により生じたと認められる場合は、P1+P2に相当する額
(注)
1 「P1」とは、当該事故に係る導入家畜を町長が購入したときの価格と購入等諸経費の合計額(以下「購入相当額」という。)から当該家畜の残存価格に相当する額(その額が購入相当額を上回るときは、購入相当額)を差し引いた額をいう。
2 「P2」とは、当該事故に係る導入家畜の引渡し等の日から当該事故につき報告のあった日までの日数に応じ、当該家畜の購入相当額につき年利10.95パーセントで計算して得た額をいう。
(2) 前号に掲げる以外の過失による場合 P1に相当する額
(廃用処分)
第19条 町長は、導入家畜が貸付期間中に疾病その他重大な事故及び繁殖能力が著しく劣った場合等が生じた場合の廃用処分の認定については、家畜評価委員会を開催し、適正に評価するものとし、廃用後は知事に報告するものとする。
2 町長は、廃用処分の原因が導入対象者の故意又は重大な過失による場合を除き、消費税等相当額を除く廃用処分額から当該導入家畜を町長が購入したときの価格と購入等に要した諸経費との合計額を差し引いて得た額を導入対象者に交付することができる。
(補助金の返還)
第20条 町長は、導入対象者から第18条の規定に基づく損害賠償の納付があった場合その他補助金の返還があった場合は、当該額をそれぞれ基金に繰り入れるものとする。
(事業実績報告)
第21条 町長は、この事業により肉用繁殖雌牛の導入を実施した年度末に当該年度の事業実績報告(基金取崩状況報告を含む。)を作成し、佐賀県知事に提出するものとする。
(補則)
第22条 この規則に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、県が定めた事業実施要領及び関係通知に即し、町長が定める。
附則
(施行期日)
1 この規則は、平成18年3月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の日の前日までに、合併前の西有田町家畜特別導入事業基金条例施行規則(昭和61年西有田町規則第10号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この規則の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。
附則(平成19年規則第15号)
この規則は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成21年規則第10号)
この規則は、平成21年6月1日から施行する。
附則(平成22年規則第15号)
この規則は、平成22年7月1日から施行する。
附則(平成28年規則第11号)
この規則は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年規則第10号)
この規則は、平成30年4月1日から施行する。
附則(平成31年規則第6号)
この規則は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和2年規則第5号)
この規則は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和3年規則第8号)
この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和4年規則第12号)
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和5年規則第16号)
この規則は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和6年規則第8号)
この規則は、令和6年4月1日から施行する。
別記第1(第5条関係)
導入対象者選定基準
家畜特別導入事業の導入対象者の選定は、導入貸付申込者の畜産経営計画書を次の事項を基準として審査の上行うものとする。
1 農業労働力
(1) 農業従事者(導入対象者)は、有田町家畜特別導入事業基金条例施行規則第3条の要件を満たす者で、肉用繁殖雌牛を継続して飼養する意欲のあるものとする。
(2) 経験年数は、特に問わないものとする。ただし、新規参入の場合にあっては、肉用繁殖雌牛の飼養管理技術等からみて、今後継続的に肉用繁殖雌牛の飼養が可能な者とする。
2 経営農用地等面積
(1) 飼料供給地面積の現在及び計画の肉用繁殖雌牛1頭当たりの面積が原則としておおむね6アール以上であること。
(2) 飼料作物、野草及び未利用資源の積極的な活用が図られるものであること。
3 施設
飼養計画の現在及び計画時における肉用繁殖雌牛の飼養頭数が収容可能な繁殖牛舎等が確保されていること又は確保される見込みがあること。
4 飼養計画
(1) 肉用繁殖雌牛の飼養計画頭数は、導入前(申請時)と比較して維持又は拡大が図られているものであること。
(2) 導入対象者の導入頭数は、導入対象者の飼養技術、労働力、飼養基盤等を勘案し、合理的な飼養が可能な頭数であること。ただし、肉用牛生産振興上特に必要と認める場合は、この限りでない。
5 その他
この事業の実施年度において、肉用繁殖牛集団導入事業の農協有等家畜導入事業の導入対象者又は畜産振興資金の子牛生産方式改善資金による肉用繁殖雌牛の購入費及び育成費の貸付対象者でないこと。
別記第2(第7条関係)
家畜評価委員会の設置及び家畜の評価について
1 肉用繁殖牛集団導入事業の家畜特別導入事業において、導入家畜を家畜市場以外から購入する場合の購入価格又は廃用処分する場合の価格を適正に評価するため次により家畜評価委員会を設置するものとする。
(1) 家畜評価委員会のメンバー
① 伊万里農林事務所
② 西部家畜保健衛生所
③ 伊万里有田地区農業共済組合
④ 伊万里市農業協同組合
⑤ 有田町
(2) 事務局
有田町農林課
2 家畜の評価について
(1) 導入家畜を家畜市場以外(肉用牛繁殖農家又は繁殖育成センター)から購入する場合、返納された肉用繁殖雌牛を売却処分する場合又は導入家畜を廃用処分する場合は、近隣の家畜市場の取引価格(過去1~2年間のうち一定期間)及び家畜市場以外から購入した場合の過去1~2年間の評価実績等を比較検討し、公平かつ適切な評価を行うものとする。
(2) 家畜調査の調査項目
区分 | No. | No. |
名号 |
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父 |
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母 |
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生年月日 |
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月齢 |
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登録番号 |
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体重 |
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育成方法(舎飼、放牧) |
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体重1kg当たり評価額 |
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体重1kg当たり評価額の算定基礎 |
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評価額 |
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(注) 体重1kg当たり評価額の算定基礎となる近隣の家畜市場の取引価格及び家畜市場以外から購入した場合の評価実績等を資料として添付するものとする。