○有田町認知症初期集中支援事業実施要綱
平成28年10月28日
告示第144号
(趣旨)
第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号に基づく認知症施策推進事業における認知症初期集中支援事業を実施することについて必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 この事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、出来る限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けるために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。
(実施主体)
第3条 この事業の実施主体は、有田町とする。ただし、町長は、事業の全部又は一部を適切な事業運営が確保できると認められる団体(認知症疾患医療センター等)に委託することが出来る。
(実施体制)
第4条 支援チームは、県が指定した認知症疾患医療センターを含む認知症専門医の指導の下、複数の専門職により訪問支援対象者及びその家族の初期集中支援を行うものとする。
2 支援チームは、地域包括支援センター職員、町担当職員、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症専門医、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有出来る仕組みを確保するものとする。
(支援チームの構成)
第5条 支援チームの構成員(以下、「チーム員」という。)は、専門職及び専門医とする。この場合において、専門職の数は2名以上とする。
2 前項に規定する専門職は、次に揚げる要件をすべて満たす者とする。ただし、厚生労働大臣が定める基準を満たす場合は、この限りではない。
(1) 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保険福祉に関する国家資格を有する者
(2) 認知症ケア実務経験3年以上又は在宅ケア実務経験3年以上を有する者
(3) 厚生労働省が実施する認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、必要な知識・技能を修得するものとする。ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講内容をチーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。
3 第1項に規定する専門医は、日本老年精神医学学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ認知症サポート医である医師1名とする。ただし、厚生労働大臣が定める基準を満たす場合は、この限りではない。
(チーム員の役割)
第6条 前条に規定する専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。この場合において、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上で訪問すること。専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。
(訪問支援対象者)
第7条 事業の対象者(以下「訪問支援対象者」という。)は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人で以下のいずれかの基準に該当するものとする。
(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者で以下のいずれかに該当する者
① 認知症疾患の臨床診断を受けていない者
② 継続的な医療サービスを受けていない者
③ 適切な介護保険サービスに結びついていない者
④ 認知症と診断されたが介護サービスが中断している者
(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者
(事業の実施内容)
第8条 事業の実施内容は、次に揚げるとおりとする。
(1) 支援チームに関する普及啓発
(2) 認知症初期集中支援の実施
① 訪問支援対象者の把握
② 情報収集及び観察、評価
③ 初回訪問の実施
④ チーム員会議
⑤ 初期集中支援の実施
⑥ 初期集中支援の終了とその後のモニタリング
⑦ 記録の保管
⑧ 実施報告は、国が定める様式により、町長宛に実績報告をする。
(個人情報の保護)
第9条 チーム員は、初期集中支援の業務に関して知り得た個人情報は、正当な理由なく漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(庶務)
第10条 支援チームの庶務は、健康福祉課において処理する。
(認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置)
第11条 検討委員会において、支援チームの設置及び活動状況等を検討する。
附則
この要綱は、平成29年4月1日から施行する。