こちらの作品は、展示期間中【佐賀県陶磁器工業協同組合】にて販売されます。
経済産業大臣賞
染付銀蘭手古伊万里松竹梅9寸平皿 (ソメツケギンランデコイマリショウチクバイキュウスンヒラザラ) 【福珠窯 福田 雄介】佐賀県
古伊万里金襴手の絵柄を染付と銀彩のみのツートーンで再構築。初期伊万里調の柔らかな染付と釉肌、華美過ぎない上品な銀彩の相性は抜群です。
和食器の定番ではないフラットなプレートですがクラシックとモダンのギャップを楽しんでいただくため、あえて洋の形状にデザインを落とし込みました。ライフスタイルの和洋がボーダレスな現代だからこそ生まれた器です。
2位・佐賀県知事賞
Infinity (インフィニティ) 【株式会社キハラ 池田 和浩】佐賀県
伝統的な絵の具・呉須を基調とし、手描きでは表現できないグラフィックで表現したInfinityシリーズです。ダイヤモンドをイメージしたグラデーションのあるグラフィックに、異なる釉薬(白磁・青白磁・ルリ)を施した「Gradation」。おもてなしの器としても表情豊かに食卓を彩ります。実際の有田の風景写真をベースとしたグラフィックにMoon、Star、Meteorの転写紙を重ねて模様を施した「Picture」。食器としてはもちろん飾り皿としてインテリアにもおすすめです。
3位・有田町長賞
ブラックホール ボールセット 【寺内 信二】佐賀県
伝統技法の「飛び鉋(かんな)」に注目し、飛び鉋を回し続ける事で小さな鉋目が大きな文様(うねり)となり、磁器に柔かい表情が生まれました。絵具を中心に集める事で中心に吸い込まれていくイメージ、ブラックホールを表現しました。
朝日新聞社賞
染付花水木鳥文組鉢 (ソメツケハナミズキチョウブンクミバチ) 【松尾 優子】山口県
多用的に使い勝手良い鉢に自然の一瞬をとらえた絵付を施しました。ツグミが花水木の実をついばむ姿を絵替わりで描いています。
熊本放送賞
草花「彩り」 (ソウカ イロドリ) 【篠原 君江】佐賀県
赤絵付けを描く中でも、「赤」を使わず、淡い色合いで仕上げる作品です。絵の具や焼成温度を工夫し、そこにある形の中で、輝いて欲しいと思いを込めました。分業だった有田焼きの中で赤絵と出合った事へも感謝して、これからも描いて行きます。
佐賀県商工会議所連合会賞
青磁白彩組鉢 (セイジハクサイクミバチ) 【大串 匡秀】佐賀県
料理を載せた時の美しさを意識して制作しました。サラダ、煮物、パスタ、これからの時期は、中鉢に冷やし中華を盛り付けていただくなど多用に使える組鉢です。
佐賀新聞社賞
モイスト竹林銘々皿 (モイストチクリンメイメイサラ) 【畑石 眞嗣】佐賀県
竹の節をイメージし、重ねと出しやすいように渕を竹の丸みをイメージ上げている。彫刻は竹林の奥行感を意識し、青磁の流れを利用し、色の強弱で味わいを出している。焼成後、深みを出すため、ブラストをかけしっとり感を出している。凹凸のあるなかにもなめらかさを感じる表現になっている。
サガテレビ賞
ポップ祥瑞碗皿 (ポップショウズイワンザラ) 【華仙】佐賀県
今までにない有田焼を表現する絵を描きたくて、「ポップ」をテーマにし、更に地紋を入れることにより伝統を意識し新しい祥瑞として描いております。地紋以外の図柄は青海波を泡に見たて弾けるようなイメージで描きました。新しい個性のある有田焼を見て頂ければ幸いです。
陶業時報社賞
彩磁練上パッチワーク模様組鉢 (サイジネリアゲパッチワークモヨウクミバチ) 【艸窯 草場 奈美子】佐賀県
伝統の練上げ技法による表現。様々な文様をひとつの器の中に閉じ込めて楽しく表現した。
フチに模様を施し盛り鉢として使い易く、しかもゆるやかな四角鉢の形の面白さで使う人の気持ちを盛り上げたい。
西日本新聞社賞
わたしのハコ 【三木 悦子 ・村上 三和子】佐賀県
日本には素晴らしい伝統工芸や伝統産業が数多く残っています。一方で産地が抱える問題として技術の継承が大きな課題となっています。それを支えるのは多くの職人さんであり、またそのための新しい技術も生まれています。本作品は難しい蓋物でありながらも、磁器創業400年を迎えて以降、定着しつつあるCADデータで形状を作成し、徳幸窯の職人さんたちによって生産されています。徳幸窯によって引き継がれてきた職人の素晴らしい手の技術と、伝統工芸士の村上三和子氏の感性によって絵付けされた、自分だけの「ハコ」を宝箱として使用してください。
日刊工業新聞社賞
水 -mizu- 【株式会社香蘭社 林 史郎】佐賀県
有田の白磁がもつ柔らかさと鋭さをイメージしてつくりました。レリーフの裏側を凹ませることで、持ちやすく重なりの良いカタチに仕上がっています。料理が引き立つシンプルな器です。(食洗機対応)
日本経済新聞社賞
サギ文皿 (サギモンサラ) 【樋口 源一】福岡県
この作品は磁器素焼生地を購入。酸化1240度で焼成、絵付後1210度で再焼成、川でサギが魚をねらっている様子を表現。黒天目に釉薬で川を表現するのに大変苦労しました。よく青が出ていると思います。
読売新聞社賞
色絵野アザミ文サラダ鉢セット (イロエノアザミモンサラダバチセット) 【川村 正】佐賀県
浅めのサラダ鉢に、初夏の風にそよぐ野アザミを描きました。花の柔らかさと優しさ。また、葉のとげとげしさと強さを表現してみました。
有田焼卸団地協同組合賞
ミニカップソーサー 【株式会社錦右エ門陶苑 山口 賢治】佐賀県
佐賀県陶磁器卸商業協同組合賞
花鳥文カップ、マグ (カチョウモンカップ、マグ) 【広川 隆】山口県
使いやすい、手になじむサイズのマグカップと多用コップです。絵付は平刷毛のタッチを生かした付立てのニワトリ、フクロウ、花の模様です。器体はロクロで挽き、マグのハンドルはヨーロッパ風の土ヒモを水挽きして作ったものです。
佐賀県陶磁器工業協同組合賞
染付麦藁手湯呑 (ソメツケムギワラデユノミ) 【吉原 優】佐賀県
有田に伝わる伝統的なロクロ成形による湯呑です。近頃の器は、型や機械ロクロで作られた物が多いので、手作りの温もりのあるロクロ成形で制作しました。手に持った感じを柔らかく。絵付けは主張しずぎないように。この湯呑が、使い手さんの毎日を温かくしてくれるように願って制作しました。
肥前陶磁器商工協同組合賞
掛釉フリーカップ (カケユウフリーカップ) 【藤本 和孝】佐賀県
陶都有田国際交流協会賞
該当なし
技能賞
KUSAKI 草木染め陶磁器 (クサキクサキソメトウジキ) 【瀬戸口 功治】佐賀県
特殊な陶土を使い、通常の磁器ではできない植物による染めを施しました。植物の持つ豊かな色合いや、微妙なにじみ具合いにより一つ一つ表情が異なります。これは人為の及ばぬ自然の美しさであり、自然の力をかりて生み出される陶磁器の美しさの新たな表現です。KUSAKIは、古くからから草木染めに使われてきた植物を使い、自然の色味を陶磁器に染め付けています。自然植物の色 ログウッド、ヤマモモ、五倍子、藍、蘇芳
技能賞
静雪 (セイセツ) 【栗原 敬子】東京都
型紙紙を使い化粧を施します。型紙を剥がした時の凹凸の美しさと色の無いことで生じる静寂感とシャープな冷感がまるで雪の結晶をイメージさせます。そんなイメージを想像させる作品を制作しました。
第115回 産業陶磁器部門 出品者一覧
第115回 産業陶磁器部門 出品者一覧(PDF:204.3キロバイト)
第115回 有田国際陶磁展 産業陶磁器部門 審査表
審査評
審査長:鹿児島 睦
明治29 年から、戦争のための休止を余儀なくされたものの、100 年以上も栄誉ある公募展を続けてこられたのは、有田の陶磁器産業に携わられる全ての方々の弛まぬ努力と忍耐の歴史そのものだと審査会場の作品群を拝見して感じました。今現在、産業としての『やきもの』は大変苦しい状況にありながら、会場の、特に有田町からの出展作品はどれも素晴らしい技術や創意工夫にあふれ、力強く見応えのあるものばかりだったのは、2016 年から始まった有田焼400 周年事業の影響も大きいのではないでしょうか。これまでに無かった窯元同士での情報の共有や技術者同士の交流、制作する側と商う側の考え方の交換など、それぞれが抱える問題を、解決に至らずとも、共通の課題として認識してゆくコミュニケーションこそが有田の業界に良い効果を与えていることを感じます。
今回の入賞作品に関し、若手の出品者には伝統や歴史への回帰やリスペクトを強く感じました。また、ベテランの出品者の作品からは新しい素材や技術への挑戦も多いように感じられ世代を越えた交流や学びがより盛んに行われていることも推察され、喜ばしく思いました。これらの流れは決して留めることなく、さらに推し進めていくべきだと確信しています。
今後は有田焼卸団地内に新しく完成したarita huis」などを拠点にもっと活発な意見交換や、国内外からのアーティストやデザイナーとの交流を増やし、外の世界に行かずとも、外の世界がやってくるという魅力のある産地を目指すことも、この有田国際陶磁展をより発展させる手立ての一つだと思います。
第115回有田国際陶磁展 審査員
(50音順・敬称略)
第115回有田国際陶磁展 審査員氏名 | 所属 | 備考 |
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鹿児島 睦 | M,K,W&S,Y | 福岡県福岡市 福岡生まれ。美術大学卒業後、インテリア会社に勤務しディスプレイやマネージメントを担当。2002年より、福岡市内にある自身のアトリエ にて陶器やファブリック、版画などを中心に制作。 作品制作の他、国内外のブランドへ図案の提供も行っており、陶器にとどまらず、ファブリックやペーパーなど様々なプロダクトを発表。 また、国際的なアートプロジェクトへの参加や、空間への壁画制作など活動の幅は多岐に渡る。 |
富川 匡子 | 株式会社ハースト婦人画報社 | 東京都港区 1995年、同社入社。 「モダンリビング」、「婦人画報」の編集を経て、2002年より「美しいキモノ」編集部で活躍。 2013年に11代目の美しいキモノ編集長に就任。60年以上の歴史有る「きもの誌」にて、現代の生活に則したファッションの一部としての「きものコーディネート」を提案。 創刊114年を誇る日本で最も古い女性ライフスタイル誌である「婦人画報」の編集長に2017年6月就任。 両誌の編集長を兼務する。 |
横沢 敏 | 有限会社知新堂 | 長野県松本市 陶磁器やガラス器、花器、お茶道具、漆器などの食器類を豊富に取扱う、1845年創業の老舗専門店社長。 和食器では、深川製磁や山本長左などの宮内庁御用達の伝統工芸士の作品をはじめ、京焼、九谷、瀬戸、備前そして有田焼など日本を代表する産地の名品を扱う。 洋食器では大倉陶苑、ノリタケ、ナルミなど鮮度の高い商品を提供している。 |