美術工芸品・オブジェ部門【佐賀県立九州陶磁文化館】にて4月29日~5月6日まで展示を行いました。
文部科学大臣賞
Maron Fleur 24-02(マロンフルール2402)【奥川 真以子】佐賀県
ひとつひとつ、生き生きとした花をつくりたいと考えました。ろくろで成形した後、花びらをイメージして三方を変形させ、つけ土で形を強調し、内と外にかけわけを施して表現しました。
2位・佐賀県知事賞
月下美人陰刻鉢(ゲッカビジンインコクハチ)【川崎 精一】佐賀県
陰刻と言う技法を用い、光があたるコントラストに印影が浮かび植物の持つ柔らかさ可憐な様を表現しました。
3位・有田町長賞
WAVE 2024(ウェーブニマルニヨン)【丸田 巧】福岡県
アメリカ、アンテロープ・キャニオンの地層浸食による自然できれいな曲線をろくろ成形にこだわり表現してみました。
4位・有田商工会議所会頭賞
釉象嵌花器(ユウゾウガンカキ)【中尾 純】佐賀県
光沢がなく柔らかさが有るマット調の釉薬と、シャープで凛として光沢が有る釉薬の組み合わせで作品を制作しました。光の当たり方で見え方が変化する作品です。
佐賀県陶芸協会賞
白磁花器(ハクジカキ)【髙井 秀樹】北海道
白磁を始めたきっかけは2011年に開催された井上萬二先生の伝承者養成研修会「白磁」でした。ロクロ成形の円からの変形に挑戦しています。白から水鳥をイメージしながら水辺の彼方に見える雲を連想したり方向性を持たせながら舟の様な作品になりました。
朝日新聞社賞
積奏彩青晶文鉢(セキソウサイセイショウモンバチ)【渡辺 国夫】山梨県
上絵焼成を何度も行う中で、幾何学模様の色面が重なり合い、まるで結晶のような表情を作り出します。今作品は、鉢の形態に青色をベースとした微妙な色面の移り変わりを作り、内から外へ大きく広がりを見せられるよう表現しました。
熊本放送賞
Oltre(オルトレ)【Leonardo Bartolini】イタリア
この作品は、教会の平面図よりインスピレーションを受けました。上から見た作品は、十字架の形をしています。人が生を受け死ぬまでの時の過ぎるはかなさを表現したいと思いました。
佐賀新聞社賞
『渦潮』(ウズシオ)【植木 薫】佐賀県
いつもの『波の動き』『川の水の流れ』を作品の題材にしています。今回は激しく渦を巻きながら海底に巻き込むのを切り取った作品です。
サガテレビ賞
彩色線文花器(サイシキセンモンカキ)【小川 洋一】佐賀県
何度も色を重ね合わせて数回焼成しています。形は上方へと伸び上がって行くように意識しました。波の線文をいれることでゆらぎを出しています。
陶業時報社賞
ground(グランド)【酒井 杏鈴】佐賀県
形を与える。焼く。土は陶へ変質する。やきものの原初のイメージや材質感、らしさを自分なりの表現で模索しています。
西日本新聞社賞
黄白磁鉢(オウハクジバチ)【中村 清吾】佐賀県
甲虫の変態性の美にアナロジーを意識した作陶。生地と釉の熱膨張の違いにより生じる貫入。メタリック系甲虫も同様に標本時に美しいひびが生まれる。
日本経済新聞社賞
道標(ドウヒョウ)【古川 照幸】長崎県
子熊にとって親熊は生きる道しるべ。見失わないよう前に向かって。
読売新聞社賞
たわむれ(タワムレ)【市川 佳依】栃木県
桜の花びらをモチーフに、散った花びらが戯れているようなイメージで制作しました。磁器土をクリーム状の泥しょうにして、型に模様を絞り描いて形成しています。
伝統的工芸品産業振興協会賞
赤彩線文花器(セキサイセンモンカキ)【國定 克彦】京都府
成形方法は土台部分はロクロ成形、そこから紐づくり。色は泥彩によるもので焼成する回数で色のグラデーションを表現。作品のイメージは夕暮れの竹林を自分なりに表現しました。
陶都有田国際交流協会賞
輪廻(リンネ)【CHAN Kaiting】台湾
作品表面は「巻き縛り」と名付けた技法によってできている。焼成によって”窯の中で動く文様”と捉えている。始まりも、終わりもない、永遠、無限、普遍を表す円環に、窯の中でダイナミックに変化する「文様」を施すことは、私が自然のバランスを理解するための素材との共同作業です。
第120回 美術工芸品・オブジェ部門 入選・入賞者、招待作品一覧
第120回 美術工芸品・オブジェ部門 審査評および審査員