第111回 第2部産業陶磁器 受賞作品
1位・経済産業大臣賞
白磁花碗(副島 健太郎)
2位・佐賀県知事賞
エッグシェル・シリーズ シャンパングラス(山本 博文)
3位・有田町長賞
白磁鎬文 ビアカップ(寺内 信二)
朝日新聞社賞
黒皿 (ぽち菊)(平山 清美)
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熊本放送賞
雫ビアグラス(西 隆行)
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佐賀県商工会議所連合会賞
青白磁鉢(中尾 純)
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佐賀新聞社賞
白磁黄緑釉線刻文皿(井上 康徳)
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サガテレビ賞
サギ文皿(樋口 源一)
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陶業時報社賞
市松シリーズより(定山窯 後藤 真由美)
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西日本新聞社賞
Randez-Vous(築地 慶太)
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日刊工業新聞社賞
青白磁三面鉢(野中 克彦)
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日本経済新聞社賞
クラムボン(原田 吉泰)
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読売新聞社賞
tri(城 雅典)
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有田焼卸団地協同組合賞
Cafe au lait bol(岩永 和久)
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佐賀県陶磁器卸商業協同組合賞
灰釉鎬リム付皿(阿南 維也)
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佐賀県陶磁器工業協同組合賞
赤濃み花六角高台皿(原田 陽介)
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肥前陶磁器商工協同組合賞
すくい易いグラタン碗((有)しん窯 梶原 大敬)
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技能賞
青磁千段ボール(大串 匡秀)
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技能賞
Eustma2(中原 真希)
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第111回 第2部産業陶磁器 審査員紹介 (敬称略・順不同)
- 畑石 眞二 (佐賀県陶磁器工業協同組合理事)
- 大谷 啓介 (KCmitF 代表)
- 金子 晴美 (アイ・ケイ・ケイ株式会社 常務取締役)
- 下川 一哉 (日経デザイン 前編集長)
- 長井 千春 (愛知県立芸術大学 准教授)
第111回 第2部産業陶磁器 審査講評
第2部 審査長 下川 一哉
九州山口陶磁展の審査に当たるのは、今年で2回目となる。第2部 産業陶磁器部門で、出品点数が前回に比べ減少しているのは残念だが、プロダクトとしての陶磁器の在り方、特に生活者の嗜好や市場の変化を注視した提案が多く見られたことは、陶磁器産業の将来にとって明るい兆しと言えるだろう。奇をてらったデザインや表面的な新規性を追求するのではなく、陶磁器の原点を見つめ、伝統的な技法に則った新たな挑戦を試みることで、ユーザーに新たな体験を提供しようという作り手の真摯な姿勢を感じ取れる作品が見られ、これらが上位入賞を果たした点にも目を向けたい。
経済産業大臣賞を獲得した「白磁花碗」は、白磁の持つ美しさの2面性を同居させたデザインと、それを具現化する確かな技法によって成り立っている。白磁花碗は、蓋付きのシンプルな碗である。本体の大部分は、光沢のあるつややかな白磁仕上げだが、蓋のつまみと本体の底部の高台は菊の花を模した形状で、マットに仕上げられている。マットなつまみと高台はそれ自体が愛らしいだけでなく、本体のつややかさを引き立てる役割を十分に果たしている。また、指先で触れてみると分かるのだが、つまむ際に滑ることがなく、安心して使える点もプロダクトのデザインとして優れており、用の美を感じさせる。こうしたデザインが、成形や施釉、焼成の確かな技術に支えられていることは間違いない。
有田焼と言えば、赤絵や染め付けに眼を奪われがちだが、青や赤を映えさせる白磁の確かな技術があって初めてそれらはほかに類を見ない美しさを発揮しうる。白磁花碗は、白磁が有田焼はもとより日本磁器産業の大きな資産であることを我々に改めて認識させる。同時に白磁をはじめとした陶磁器の原点や伝統技法を見つめ直し、デザインとしてうまく取り入れることで、プロダクトの価値を大きく向上させうることも証明した。
第111回 第2部産業陶磁器 入賞者・出品者一覧
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第111回 第2部産業陶磁器 県別出品数内訳
項目 |
山口 |
福岡 |
佐賀 |
長崎 |
熊本 |
大分 |
宮崎 |
鹿児島 |
沖縄 |
全国 |
合計 |
出品者数 |
5 |
7 |
80 |
19 |
5 |
3 |
1 |
1 |
2 |
7 |
130 |
(4) |
(9) |
(90) |
(21) |
(3) |
(4) |
(0) |
(1) |
(1) |
(0) |
(133) |
出品点数 |
7 |
7 |
110 |
26 |
8 |
6 |
2 |
1 |
2 |
7 |
176 |
(6) |
(10) |
(126) |
(29) |
(5) |
(6) |
(0) |
(1) |
(1) |
(0) |
(184) |
( )内は前回分