平成29年3月に東京都内で、はちみつの摂取が原因と推定される乳児ボツリヌス症による死亡事例がありました。
乳児ボツリヌス症の予防のため、1歳未満の乳児にはちみつを与えるのは避けてください。
乳児ボツリヌス症とは
乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられる疾病です。原因食品とともに体内に摂取されたボツリヌス菌の芽胞(※)は、乳児の腸管内で毒素を産生することにより発症します。乳児ボツリヌス症での死亡はまれで、乳児の腸内細菌叢が成人と異なるために起こる疾病です。
※芽胞とは
ボツリヌス菌などの特定の菌は、増殖に適さない環境下において、芽胞を形成します。芽胞は、加熱や乾燥に対し、高い抵抗性を持ちます。芽胞を死滅させるには120度4分以上またはこれと同等の加熱殺菌が必要です。100度程度では、長い時間加熱しても殺菌できません。
症状
便秘、筋力の低下、哺乳力の低下、泣き声が小さくなるなど
原因食品
乳児ボツリヌス症の主な原因食品は、はちみつです。原因不明の事例も多いですが、はちみつ以外、原因食品が確認された事例はほとんどありません。
予防方法
1歳未満の乳児には、ボツリヌス菌の芽胞に汚染される可能性のある食品(はちみつやはちみつ入りの飲料・食品など)を食べさせないこと。はちみつ自体はリスクの高い食品ではありません。1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけませんが、1歳以上の方がはちみつを摂取しても、本症の発生はありません。