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20世紀遺産として「有田の文化的景観」が選出!

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このほど、ICOMOS(イコモス:国際記念物遺跡会議のことで、文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織)の20世紀遺産・20選に「有田の文化的景観」が選出されました。新聞報道によれば「世界文化遺産には、国立西洋美術館(東京)など20世紀の遺産も登録されているが、著名な建築家による建築作品が多い。このため、イコモスは登録対象の多様化の必要性を議論し、可能性のある遺産例を示すため、約30カ国の国内委に各20件を選ぶよう求めた」ことによるもので、400年の歴史を有する有田焼を中心として、窯業が近代まで持続し、それを支えた町並みや窯跡などのほかに、近代の窯業関連施設などが一体となって景観を形成しているということが選ばれた理由だということでした。

イコモスと有田町の関わりですが、2011年ごろに九州山口の近代化遺産を世界遺産へという動きがあった時、関係者が有田町を訪問されたことがありました。窯業技術が佐賀藩の近代化に貢献しているはずだから構成資産の一つになるのではないかということで、文化財課職員総出で資料作りに追われたことを思い出します。しかしながら、イコモス関係者から言われたことは「目に見える形のものがないと世界遺産には難しい」ということで、早々に外れた経緯があります。

今回は主な構成資産として伝統的建造物群保存地区(伝統的建造物159件、環境物件130件)や古窯跡群、九州陶磁文化館や当館、窯業技術センターなどの文化施設群、窯元、店舗などが挙がっています。

この伝統的建造物群の保存しようというきっかけは、昭和54年に遡ります。それは当時、東京にあった(財)観光資源保護財団(現在の日本ナショナルトラスト)の助成を受けて始まった「有田古窯跡群と町並み保存調査会」による調査でした。会長を岡崎敬九州大学教授にお願いし、県内外の専門家を委員として調査が進められ、昭和56年11月には太田博太郎東京大学名誉教授の基調講演と、文化庁建造物課の調査官や横浜の町づくりを担当された田村明法政大学教授などをお迎えしてシンポジウムが開催されました。第一次の調査報告書の序には次のように記されています。「有田の産業の基盤をなす窯跡と伝統的な町並みを有機的に結びつけ、それを活かしていくことが真の意味での開発であり、(中略)昭和30年代後半からの高度成長期以来、全国の都市が画一化されていく中で、有田の町並みは主張を持った有田の顔である」。
この一文を読むと改めて、先人たちの先見の明はすごかったと思います。その後、当時の有田町役場職員や住民の方々の大変な努力により、平成3年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受け今日に至っています(参照:当館のHP内にあります有田内山の町並みをご覧ください)。

有田焼、有田が400年続いてきた理由を問われることがありますが、それは陶石の原料地の泉山磁石場の存在や周囲の山々に赤松(窯の燃料)があったこと、川の水が豊富であったことなど焼き物作りの環境が整っていたことは勿論だと思いますが、それ以上にこれまでこの地に生きた「人」という宝の存在があったらからこそと思う日々です。 (尾)H29.12.19

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     写真:有田古窯跡群と町並み保存調査会の皆様 

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