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有田の窯跡23 -外尾山窯跡-

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新年度最初の更新です。29年度に引き続き、窯跡シリーズをご紹介していきたいと思います。第23回は、「外尾山(ほかおやま)窯跡」です。 所在地は有田町外尾山です。史跡には指定されていません。

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      写真(1): 外尾山窯跡付近

外尾山窯跡は、有田町教育委員会が調査主体となり、1991年に発掘調査が行われています。その後、1992年に『楠木谷窯・天神町窯・外尾山窯』が有田町教育委員会より刊行されています。

発掘調査で確認された窯体数は6基で、1号窯跡は2室確認され、2号窯に削平されていることが判明しています。2号窯は5室確認され、全体は不明ですが1号窯を切っているため、1号窯より新しい窯であることがわかっています。出土している遺物は、陶器は灰釉の碗や皿で、砂目積みです。磁器は染付や白磁の製品があり、砂目積みしたものがあります。年代は1号窯が1610年代~1630年代で、2号窯が1630年代~1650年代です。3号窯の窯体は未確認で、窯跡の位置は宅地により消滅したものと考えられますが、物原が2号窯の上部に堆積していたことがわかっています。出土遺物は、染付や青磁、白磁が確認されており、染付中皿や青磁大皿が比較的多く確認されています。年代は1660年代~1670年代です。4号窯は2室確認、耕作により削平されていますが未調査部分に良好な状態で遺存している可能性が考えられます。出土遺物は、染付や青磁、白磁で染付の小・中皿、青磁の大皿が主体で、3号窯と共通したものが見られます。年代は1640年代~1660年代です。5・6号窯は重なっており5号、6号の順に築窯されていることが調査からわかっています。しかし、物原の確認がされていないため明確な遺物は確認されていませんが、染付の碗や皿が出土しています。年代は5号窯が1670年代~18世紀前半、6号窯が18世紀後半頃~20世紀になります。
外尾山窯跡は記録や古地図にも外尾山とあり、文化11年の記録では10室、安政6年の絵図には15室、明治9年の記録には外尾窯と記載があります。

外尾山窯跡付近は、私有地内にあります。現地を訪れるのであれば、近隣の方に迷惑にならないようにお願いいたします。外尾山窯跡を示す標柱が立っていますので、現地の場所と地形を確認することはできます。なお、有田町教育委員会が刊行している報告書については、現在在庫がありませんのでご了承ください。
(伊)H30.4.5

 

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