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有田の窯跡27 -窯の谷窯跡-

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第27回は、「窯の谷(かまのたに)窯跡」です。
所在地は有田町応法です。史跡には指定されていません。

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窯の谷窯跡

窯の谷窯跡は、有田町が調査主体となり、1988年度と1992年度に発掘調査が行われています。その後、1989年に『窯の谷窯・多々良の元窯・丸尾窯・樋口窯』-町内古窯跡群詳細分布調査報告書第2集-が、1994年に『窯の谷窯跡』-1992年度緊急発掘調査報告書-が有田町より刊行されています。
1988年度の調査では、本窯の最終段階と考えられる18世紀後半以降の窯体の確認ができ、少なくとも3基以上の窯があったと考えられます。1992年の調査は、治山事業に伴った調査で、1988年に確認された窯体の南側の物原を調査しました。
出土遺物は、染付、青磁、白磁、瑠璃釉の製品が出土し、調査結果から、雑な小皿を中心に作られ始め、碗・皿主体に変わり、瓶類、そして幕末以降には大皿を多く生産していたことがうかがえます。
窯の谷窯は、記述や古地図にも記載があり、寛文8年(1668)の「龍泉寺過去帳」には応宝(応法)山という地名の記載があり、文化11年(1814)、安政6年(1859)の記録には20室、元治元年(1864)の記録には17室、明治9年(1876)の記録には応法窯と記載があります。調査結果と記述等資料から推定年代としても1650年代~19世紀の年代であることがわかっています。

窯の谷窯跡付近を示す標柱と説明陶板が建っているので、場所はわかると思いますが、付近は、私有地内にありますので近隣の方のご迷惑にならないようにお願いします。また、付近には町の史跡に指定されている、猪子谷単室窯跡や掛の谷窯跡、前回紹介した弥源次窯跡が所在しています。なお、有田町教育委員会が1989年に刊行している報告書については、現在在庫がありませんのでご了承ください。1994年に刊行した報告書については、有田町歴史民俗資料館で取り扱っております。(伊)H30.5.17

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