新指定の佐賀県重要文化財「銹瑠璃青磁釉蓮鷺文三足皿」について、面白い話があります。
資料館では、夏休みの子ども向け事業の一つに、「歴史の川ざらい」というものを夏休みの期間中に行っています。有田町を流れる川の中に入って古い陶片を探し、いつの時代の、どのような器だったのかなどといったことを、その場で学芸員に鑑定してもらいます。発見した陶片は、文化財ですので、持ち帰ることはできませんが、発見者として子どもたちの名前を記録し、秋に行う企画展で展示しています。
昨年は8月5日(土曜日)に開催したのですが、このときに子どもが発見した陶片が、今回指定された「銹瑠璃青磁釉蓮鷺文三足皿」の類似品なのです!
(川ざらいの時に子どもが採集した陶片
矢印下が県指定文化財「銹瑠璃青磁釉蓮鷺文三足皿」の類似品)
拾った陶片は、中樽の山小屋窯跡で焼かれていたものと思われ、1640年代ごろの古いものだそうです。同じような皿は世界でも数枚しか見つかっておらず(そのうちの一枚が今回指定されたお皿!)、これらの特徴として、何種類かの異なる釉薬を塗り分けていること、底部を蛇の目高台にして三つの足がついていたことだそうで、拾った陶片にも足がついていた痕跡が見られます。
川ざらいの最中も「名品が出た!」と大盛り上がりで、九州陶磁文化館所蔵品の文化財指定の諮問の際にもこの逸話が紹介されたようです。
この歴史の川ざらいでは、過去にも天狗谷窯跡の柑子口瓶の陶片や、ケンディ(水差し)の陶片といったものも見つかっています。みなさん、ホンモノの名品を自分の手で発見しませんか?今年は7月31日(火曜日)に開催する予定です!詳細は追ってHPなどで連絡します。
残念ながら、昨年の8月5日はほかのイベントと重なったせいか、はたまた最近の小学生は土日のほうが忙しいのか、参加者が少なく悲しい思いをしましたので、今年は試験的に平日に開催します!
(永)H30.5.30