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有田町明治維新150年事業・有田偉人博覧会

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いよいよ今年最後となった(尾)担当の「泉山日録」です。日々の仕事の中で思いつくこと、新たに知り得たことなどを綴ってきましたが、最近は物覚えも疎くなり、段々と書くネタが見当たらなくなってきました。資料館のHPを立ち上げるということになった2012年、折角アップしても日々の更新がなければ意味がないと職員に呼びかけて始めた「日録」です。言い出しっぺという責務もあり、6年間にわたって短文でもいいので書き続けようと自分に課してきたところです。

 

ところで、最近の朝日新聞に、社会思想家の渡辺京二さんの聞き書きが掲載中です。あの名著「逝きし世の面影」の著者でもある渡辺さんのこれまで生きてこられた人生を垣間見ることができて、朝の楽しみが増えました。

今回の有田陶磁美術館企画展に多くのカップ&ソーサーを貸し出してくださった赤穂市の近藤裕美さんが、以前、「こんな新聞がありました」とアメリカ在住のころに見いだされた資料を送ってくださっていたのですが、それはエリザ・R・シドモアさんという女性が記した「THE PORCELAIN OF JAPAN」というものでした。明治28年ごろにアメリカ人女性のシドモアさんが有田を訪れたことは、かの中島浩氣さんも記録されてはいなかったので、その滞在記を残していたことも初めて知った史実でした。その記事には写真家でもあったシドモアさんが撮影した当時の有田の風景もあり、また、その記事は当時の有田皿山を彷彿とさせるものでした。

さらに最近のことですが、大先輩のMさんが、「ナショナルジオグラフィック日本版 10月号」に明治時代の有田を紹介した写真が掲載されているとご連絡くださいました。そうです、ジオグラフィックの社員でもあったシドモアさんが撮影した武雄から有田への道沿いにあった草鞋の無人販売所のことを紹介した記事でした。しかも以前の新聞記事よりもはるかに鮮明に写っていました。早速、ジオグラフィック社に他の写真はないのかお尋ねしたのですが、それらはまだ発見できていません。

 

で、話は渡辺さんの「逝きし世の面影」に戻りますが、シドモアさんのことも紹介されていています。でも、それは東京近辺の鎌倉などを回った際の記事で、そのころの日本人のことを「どの文明人を見回しても、これほどわずかな収入で、かなりの生活的安楽を手にする国民はいない」というあたたかいまなざしで語っています。

 

この渡辺さんの本を手にして取り組んだのが、(尾)にとっての有田町明治維新150年事業「有田偉人博覧会」でした。先週、総括の実行委員会が開催されました。実行委員会の立ち上げ前から事務局と検討を重ね、委員の一人として従事してきたこともあり、150年前の有田に生きた人々のことをもっと知りたいといろんな資料にあたり、子孫の方々とも交流してきました。この事業も残すところ、あと一つ。偉人伝の冊子編集と発行を来年3月までに行う予定です。子孫の方や有縁の方々に原稿をいただき、皆様とともに未来に残るものにできればと事務局では考えています。(尾)H30.12.24

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