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有田弁

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昨今は全国共通の言葉・共通語が一般的になりましたが、まだまだ地方においてはその土地独特の言葉が日々の暮らしの中に生きています。佐賀市で制作された佐賀弁によるラジオ体操がユーチューブでも検索できますが、ゴチャーとかチャンギリマイなど言葉そのもので身体をどのように動かすかがうかがえてとても楽しいものとなっています。

 

方言といえば、八代深川栄左衛門が米国フィラデルフィア万博に渡航した有田の手塚亀之介、深海墨之助、深川卯三郎らに宛てた手紙が残っています(百田家文書)。これは当時、国内では誰が読んでもわかる表現で書かれていますが、昨年の企画展ではそれを翻刻して展示しました。せっかくだからと、その翻刻文を有田弁に翻訳?してみました。如何せん、(尾)は生粋の有田っ子ではありませんので、多少武雄弁が入ってしまいましたが、意外と好評だったようです。

 

ところで、現在有志の皆様と読み進めている田代家文書の中にも、有田弁というか方言が多々出てきます。その中のひとつに「名(銘)山鉢」という表現があり、焼き物のことだろうということは推測できましたが、イマイチどのようなものか理解できませんでした。そうしましたら、『有田の方言』に「洋皿の大きいのをめいざんばちという」と、中島浩氣さんも池田忠一さんも記録してくださっていました。なるほど、これで田代家資料がさらによくわかるようになりました。

 

長年教えを乞うている古文書の師匠は「地域に残る古文書は地域の人が読んで初めて活きる」と繰り返し話してくださいましたが、それは「めいざんばち」一つをとっても確かなことだと思います。当館には田代家文書をはじめ数多くの古文書資料が保存されていて、その多くはまだ翻刻できていません。昭和63年から始まった古文書教室は、現在、公民館と共催で開催しています。年10回の古文書教室(初級・中級)に町民の皆様も多く参加されていますので、いつの日か、その受講生の皆様のお力を借りて翻刻が進んでいくことを願っています。(尾)H31.1.21

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玄関前のスイセン

 

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