GWがあけ、陶器市も終わると世間はすっかり令和になっていました。(永)の令和初のブログは、れきみん応援団などを対象に実施した視察研修のことを紹介したいと思います。昨日5月14日に長崎市へと行ってきたのですが、研修場所は「旧香港上海銀行長崎支店」と「長崎歴史文化博物館」の2か所でした。
旧香港上海銀行長崎支店は、明治37年に建てられ、平成2年に国の重要文化財となっています。平成7年に復元が完了し、翌年から一般公開が開始され、平成26年に展示リニューアルし「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」が併設されました。
ご存知の通り、有田町の「旧田代家西洋館」が昨年国重要文化財に指定され、現在一般公開をしています。その関係で、西洋館と同じ重要文化財で、一般公開しており、なおかつボランティアガイドが案内をしている先進地として、この建物の視察研修に伺ったのです。
長崎にはたくさんの重要な建物がありますが、こちらは洋風建築物としては長崎でも最大級で、下田菊太郎という人物の設計です。旧香港上海銀行、という名前から、中国の建物かと連想しますが、当時香港を支配していたイギリス人によって建てられたレンガ造りの西洋風の建物で、会社自体は今も存続しているそうですが、長崎支店は昭和6年に閉鎖し、その後は県や市の警察庁舎、長崎歴史民俗資料館として活用されていたそうです。昭和62年に老朽化した建物を解体し、新たに国際交流施設を建てるという構想が浮上した際、市内の明治期建造物の相次ぐ解体に危機感を抱いていた市民団体が活動を開始し、平成元年には「旧香港上海銀行を守る会」を発足、長崎市への直接請求や署名活動を何度も何度も行った結果、解体は撤回され平成2年に国の重要文化財として指定されたそうです。
つくづく文化財は、「後世に残そう」という、今を生きる私たちの強い意志がないと残らないものだ、と思うとともに、30年前保存に尽力した先人の努力に敬意を表したいと思います。
さて、今回の展示解説はボランティアガイドの方に案内を頂きましたが、上記の建物の話から展示内容まで詳しくご説明いただき、充実した時間を過ごすことができました。旧田代家西洋館の開館業務をお願いしているれきみん応援団員にも大きな刺激になったことと思われます。旧香港上海銀行長崎支店は、ご存じグラバー園近くにありますので、長崎旅行の際に足を運ばれてはいかがでしょうか?タッチパネル式の展示ケースがあったり、まるで明治期の長崎にいるかのような自分の写真を撮ったりして楽しむこともできます。
長くなったので、長崎歴史文化博物館での研修についてはまた次回に。(永)R1.5.15
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館内の見学の様子 |