第43回は、「茂右衛門(もえもん)窯跡」です。
所在地は有田町広瀬山です。史跡には指定されていません。
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茂右衛門窯跡 |
茂右衛門窯跡は、1998年度に西有田町(現有田町)教育委員会が調査主体となり、発掘調査が行われています。その後、2001年に『茂右衛門窯跡・香茸窯跡』が刊行されています。
発掘調査では、少なくとも1基の窯体が確認されています。窯本体については窯尻付近が一部運動場により破壊されているものの、良好に遺存しています。
出土した遺物は、磁器の染付の碗・皿・猪口・鉢、青磁染付は碗・蓋物が出土しています。窯道具はトチン・ハマ・チャツが見られました。
文献や絵図にも記録があり、文化11(1814)年には19室、安政6(1859)年の絵図には16室程描かれています。これら出土した遺物や残っている記録から18世紀後半~19世紀代までの操業と推測されます。
茂右衛門窯跡は、私有地にあり、山の斜面ですので現地に行く際は十分に気を付けてください。また、今の時期は、草なども生い茂っているので、害虫等にも気を付けてください。刊行している報告書については、現在在庫がありませんのでご了承ください。
(伊)R1.8.8