9月18日~20日までの3日間、有田中学校2年生の生徒3人が職場体験にやってきました。今回の職場体験では、資料館やバックヤードの見学、史跡めぐりの他に、発掘調査で出土した陶片の整理作業を体験してもらいました。
発掘調査を行うと、調査した遺跡がどのような遺跡だったのかを「発掘調査報告書」という本の形にして記録に残します。発掘調査で出土した陶片も同じように報告書の中で記録として残します。しかし、報告書に掲載するためには様々な作業を経なければなりません。陶片の整理作業のうち、今回生徒たちが体験したのは、洗浄、注記、実測です。
まず、行うのは洗浄です。出土した陶片は泥がついたままになっています。それをブラシでたたくようにしてやさしく洗います。きれいにした後は、注記と言って、その陶片がどの遺跡のどこで出土したのか、陶片の目立たないところに小さな文字で記録します。筆を使って陶磁器の断面という狭い場所に小さな文字を書くのは難しく、慣れが必要な作業でもあります。生徒たちは苦戦していましたが、1時間の練習時間を経て、目標の5点の陶片への注記を達成することができました。
洗浄と注記の様子
注記が終わると、実測をします。実測とは、遺物を計測して図化する作業です。生徒たちは、初めての実測にとても苦戦しているようでしたが、みんな最後まで完成させることができました。最後までよく頑張ったと思います。
実測図のトレースと染付のスケッチも行いました
陶片を資料化した後は、展示の体験を行いました。今回の展示は、生徒たちが体験した実測と注記について展示しました。3日目に生徒たちが注記をした陶片と、2日目に完成させた実測図を展示して、注記と実測について解説をしています。キャプションの製作や陶片の陳列も生徒たちが行いました。自分たちが3日間頑張った成果が形になって、生徒たちも満足気でした。
生徒たちが自ら展示作業を行いました
3日間の職場体験の集大成ともいえる生徒たちの展示は、12月まで展示の予定です。ぜひ資料館に足をお運びいただき、彼らの頑張りを見ていただければと思います。特に、企画展開催時(11月9日~12月15日)は入館料が無料となっておりますので、ぜひこの機会にお越しください。
陶片の整理作業は細かい作業が多く、根気がいる作業ばかりで大変だったと思います。しかし、最後まであきらめず、よく頑張りました。今回の体験を、今後の職業選択に役立ててもらえれば嬉しいです。3日間お疲れ様でした。(宮)R1.10.1