9月30日(月曜日)、有田町歴史民俗資料館でれきみん学習会を行いました。今回の担当は私が務めさせていただきまして、拓本をテーマに学習会をしました。
れきみん学習会は、当館のボランティア組織であるれきみん応援団を対象とした学習会で月1回開催しています。学習会の担当は文化財課職員の持ち回りで、今月は私(宮)の担当でした。今回は「拓本講座」と題して、拓本の手順や注意点等について講座をしました。
拓本とは、墨を使って文様や銘文などを紙に複写する伝統的な技法です。対象物に紙を当てて、紙の上から墨を付けて対象物の文様や銘文を写し取ります。10円玉の上に紙を置いて、鉛筆で上から塗って10円玉の形を浮きあがらせて遊んだ経験をお持ちの方がいらっしゃると思いますが、原理はそれと同じです。今回の講座では、レクチャーをした後、実際に拓本を体験してもらいました。
拓本には湿拓法と乾拓法の2種類があり、湿拓法では対象物に紙を張り付ける際に水を使用して採拓する方法で、乾拓法は水を使用せずに採拓します。乾拓法は水を使用しない分簡易的な方法で、急いでいる場合には重宝しますが、湿拓法の方がひと手間かかる分、乾拓法より正確に写し取ることができます。今回の講座では湿拓法と乾拓法の2種類の方法にチャレンジしていただき、両者の違いも体験してもらいました。湿拓法では古銭と縄文土器を、乾拓法では判子を採拓しました。
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採拓の様子 |
今回の学習会に参加された方々のうち、1名を除く皆さんが拓本は初挑戦でした。中には、本当に初めてなのかと疑うくらいお上手な方もいらっしゃって驚きました。お話を聞くと、現役時代赤絵付けの職人さんだったそうです。なるほど、納得です。これも有田らしさなのかなあ?と感じた学習会でした。(宮)R1.10.8
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学習会の様子の写真 |