第50回は、「山辺田西(やんべたにし)窯跡・山越(やまごし)窯跡・登辻(のぼらんかつじ)窯跡」です。
所在地は山辺田西窯が有田町黒牟田、山越窯が有田町岩谷川内、登辻窯が有田町黒川です。いずれも史跡には指定されていません。今回紹介する3つの窯跡は、これまで発掘調査歴がなく、文献などに記録だけが残るものですが現地で陶片の採取ができている場所もあるので、窯跡の存在する可能性はあります。
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山辺田西窯跡付近 |
山辺田西窯跡は、山辺田窯跡と山辺田遺跡に隣接した西側の畑に窯体の一部が露出しています。付近に陶器や磁器が散布しており、製品は山辺田窯跡に類似していることから、操業年代も同時期と考えられます。
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山越窯跡付近 |
山越窯跡は、『肥前陶磁史考』に「有田山にては天狗谷より天神山や稗古場窯へ開窯し、岩谷川内は高麗山より猿川、山越、長吉谷に擴がり、・・・」という記述があり、古くから「山越窯」として存在は知られていたようです。
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登辻窯跡付近 |
登辻窯跡と近接している窯は、清六の辻1号窯、2号窯、大師堂横窯があります。現在では窯本体の位置は不明ですが、斜面の果樹畑に陶片が散布しており、窯跡の存在する可能性はあります。
(伊)R2.1.16