先週のブログに引き続き、常設展復旧作業に伴って展示替えをした部分の紹介をしたいと思います。
今回ご紹介するのは、新収蔵資料のコーナーです。当館のような小規模な資料館は、資料を購入する予算がありません。ですので、今回展示している新収蔵資料は、ほとんどが寄贈いただいた資料になります。昨年6月19日の(永)のブログで紹介があった通り、近年当館には寄贈資料の申し込みが急増しております。寄贈いただいた資料は、当館で保存・活用させていただいているのですが、今まで当館で展示ができるスペースがありませんでした。今回の常設展復旧作業を機に、試行錯誤の末、新収蔵資料コーナーを作ることができました。
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新収蔵資料コーナー |
今回ご紹介している資料は、寄贈手続きが終了した平成29年度と平成30年度に寄贈いただいた6点が紹介されています。資料は、以下の通りです。
納富介次郎(介堂)画 立雁香爐草稿 手塚英樹氏寄贈
川浪養治(筍谷)画 魚図 有田町歴史民俗資料館西館より移管
明治33年(1900)パリ万博銀杯 松尾博文氏寄贈
子ども服、ゆりかご 田代紀子氏寄贈
磁器製酒樽 馬場正明氏寄贈
1点ずつ紹介するのも何なので、磁器製酒樽について少し紹介したいと思います。磁器製酒樽については、寄贈者様のご意向で、昭和6年に出願された実用新案出願公告も一緒に展示をしています。実用新案とは、物品の形状、構造または組み合わせに係る「考案」を保護するもので、実用新案を登録した物品についてはそれを独占的排他的に製作・販売する権利が法的に認められています。寄贈いただいた酒樽には、「実用新案登録 第一六○二一四号 佐賀県有田町 カネトラ馬場商会製」と染付で書かれています。酒樽も磁器製とは有田らしいですね。
磁器製酒樽の実用新案出願公告と染付の文字
今回展示させていただいた資料は新収蔵資料の一部ではありますが、このコーナーを活用して寄贈いただいた資料をみなさんに紹介する機会が増えればと思っております。ぜひ当館に足を運んでいただいて、新収蔵品が伝える有田の歴史のさまざまな側面を感じていただければと思います。(宮)R2.1.21