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陶山神社の磁器製鳥居の修復が終わりました

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前回のブログでは、今回修復した部分について紹介を行いました。いずれの箇所も落下の危険性があり緊急を要する箇所で、島木・貫・神額の3ヶ所を修復していました。修復作業をされたのは、文化財の複製・復元・修復事業等を行っている「株式会社スタジオ三十三」様です。今回のブログでは、修復後鳥居がどのようになったのかをお伝えしたいと思います。今回も磁器製鳥居修復準備委員会事務局の八尋様よりご提供いただきましたお写真を使わせていただいて、ご紹介したいと思います。

まずは、島木部分です。島木部分は、はがれてしまった破片部材の接着と、ひび割れの補修を行いました。はがれた部材が接着され、ひびも目立たなくなりました。

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修復前の島木部分(左)と修復後の島木部分(右)

 

 

貫部分は、はがれた部材を接着しました。きれいに修復されています。

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修復前の貫部分(左)と修復後の貫部分(右)

 

 

神額は、欠けてしまった部材を接着して、再度の割れと脱落を防ぐ修復をしました。欠けてしまった部材はきれいに接着され、写真からは見えませんが、銅線でしっかりと固定されました。

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修復前の神額(左)と修復後の神額(右)

 

 

そして、鳥居全体を可能な限りクリーニングしました。見違えるほど白くなり、建立当時の美しさを取り戻しました。

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修復前の磁器製鳥居(左)と修復後の磁器製鳥居(右)

 

今回の修復は、国の登録有形文化財に登録された当時の姿に戻すことを目的として行われました。そのため、欠けた部材の接着は神社で保管されていたはがれた部材を使い、新しく部材を作って接着をしたわけではありません。はがれてしまった部材をしっかりと保管されていたからこそ、当時に近い状態に修復できたのです。捨てずに保管をしてくれた方々のおかげですね。

文化財に携わる仕事をしていてつくづく思うのは、文化財を残そうとする意志がなければ、その文化財を後世に残すことができないということです。ものは時間がたてば劣化をし、壊れてしまいます。それを食い止め、残そうとする力が働かなければ、文化財はなくなってしまいます。つまり、長い時間をかけて残そうとする意志を費やしてきたからこそ文化財が現在に存在するのです。このように考えると、文化財がこの世にあるということはとてもすごいことです。有田町には、国指定の文化財をはじめ貴重な文化財がたくさんあります。これらの文化財を後世に残すことができるよう、その一歩として、私たちのブログを読んで少しでも文化財に興味を持っていただければと思います。(宮)R2.3.24

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