先週、有田陶磁美術館の展示ケースリニューアル工事について書いたと思いますが、今回もそのネタから紹介したいと思います。
ケース修繕のため美術館を清掃していると、古い箱が出てきて、その中に風呂敷がたくさん入っていました。おそらく昭和の30~50年代に、美術品を梱包するのに使用していた風呂敷と思われます。
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美術館の住所と電話番号入り |
これはこれで面白い資料だな、と思いましたので資料館に持ち帰り、民俗資料として保管することにしました。その中に、唐草文様の緑の風呂敷があったのです。
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唐草文様の緑の風呂敷 |
いったい何事かとお思いの方もいるかもしれませんが、俗に昔の漫画やアニメ等でドロボウの姿としてよく描かれているこの風呂敷、実は初めて本物を見ました!
50歳代後半の上司からは、昔よく見た極めて典型的な風呂敷だ、と言われましたし、ひょっとして資料館の収蔵庫にもあるかもしれませんが、当館の若い20歳代の職員は当然見たことはなかったようで、それから各世代の職員の間で、「祖父母が持っていた」「自分もアニメでしか見たことない」などとひとしきり盛り上がりました。
よく「昔の道具」や「昔の遊び」について当館に調べ学習に来る子ども達がいますが、子ども達にとっての「昔」と私達が考える「昔」には大分違いがあるようです。資料として保管しておくべき「古い道具」も大分年代が下がってきています。そんな中、このようにジェネレーションギャップを感じされるような資料の存在は、大変面白いなと改めて感じた次第です。(永)R2.5.20