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西地区の遺跡 ~1~

最終更新日:

しばらく何か忙しくサボり気味でしたが頑張って再開していきたいと思います。

今回からまた新たにシリーズもので始めていきたいと思いますが、何にしようか考えた結果、有田町歴史民俗資料館“西館”の展示替えをして半年ほど経ち、まだまだ周知が足りていないと思い、見学に来ていただく前の予備知識としてブログを見てもらおうか思います。

 

西館に展示している遺跡で坂の下遺跡について紹介します。次回から坂の下遺跡について少し掘り下げた内容をご紹介していきたいと思います。またそれ以降については、西地区のほかの遺跡や史跡など、特に原始・古代を中心に紹介していきたいと思います。

 

坂の下遺跡は、昭和46年7月10日に町の史跡に指定されました。現在の有田町が平成18年に合併する前、まだ西有田町であったころの昭和41年に水田の耕地整理中に発見され、以降3度の発掘調査が行われた遺跡です。

坂の下遺跡の立地は、国見山麓の裾野、有田川の支流である浄源寺川と桑木原川によって形成された扇状地の台地で、階段状に開かれた標高約80mの山本地区の水田に位置します。

発掘調査で確認された主なものは、当時の人々が食していたドングリやアラカシなどの木の実を貯蔵する穴(貯蔵穴)が21基とその穴から多種多量の木の実、特徴的な土器や石器が出土しました。出土した土器には特徴があり、熊本の阿高貝塚から出土した土器と同系統であることから縄文時代後期ということが分かっています。共伴して出土した石器も黒曜石を打ち割った縦長の剥片で同様に縄文時代後期です。また出土したアラカシの実を九州大学工学部に依頼して理化学的年代を測定したところ、約4,000年前のものであることがわかっています。

 

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現在の坂の下遺跡

 

ちなみに、ご存知の方もいるとは思いますが、その貯蔵穴から出土したアラカシの実を当時調査に参加していた方が、瓶に入れ保管していたところ、なんと、ある日保管していたアラカシの実の一つが発芽したそうです。その後、鉢での育苗を行い順調な成長を続けました。そして、昭和45年に開館した佐賀県立博物館へ移管され、現在、博物館庭園内で大きな木に成長しています。

(伊)R2.5.28

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