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西地区の遺跡 ~3~

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前回までで坂の下遺跡の第1次調査が始まったことなどをご紹介しました。今回は第1次調査で出土した坂の下遺跡の貯蔵穴、石器や土器などについて紹介していきたいと思います。

 

第1次調査では7基の貯蔵穴が確認されましたが、それぞれの穴の内部の構造はおよそ一致しています。穴の底部に砂が敷かれ、次に木の葉、次に木の枝または砂が、そして木の実が敷き詰められていました。貯蔵穴がいっぱいになると最後に多量の木の葉で覆ったようです。明確ではありませんが、昭和44年に佐賀県教育委員会から刊行された調査報告書「西有田縄文遺跡(本文編)」では穴の中から一緒に出土していた木材や石は内容物を押圧するためのものだったのかもしれないと考えています。

 

1次調査 貯蔵穴図
1次調査出土の貯蔵穴遺構図

 

石器も多く出土しており、特に多種多様な矢じり(石鏃:せきぞく)が63個も出土しています。他にもサヌカイト製の石槍(いしやり)、万能ナイフの役割と考えられる石匙(いしさじ)、打製の石斧(せきふ)、木などを削る削器(さくき)、動物の皮などをなめす掻器(そうき)、砥石(といし)が出土しています。

出土した土器のまとめは第3次調査後に詳しくご紹介する予定ですが、昭和42年の第1次調査時点では、1~6類の特徴をもった土器が確認され、とくに時代を認定しやすい顔面把手も出土していました。ほかにも漁労具の土錘や織物時利用する紡錘車が出土しています。

他の出土品としては、用途不明の木材、植物質の製品としてカゴ、アミ、ヒモがそれぞれ確認されています。

ここまでで、第1次調査の内容となります。次回から第2次調査を紹介していきます。

 (伊)R2.6.11

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