前回までに坂の下遺跡第1次調査のご紹介をしましたので、本日からは第2次調査に移ります。
坂の下遺跡の第1次調査では、縄文時代の食料の貯蔵穴群遺構を確認できました。しかし、当初の目的であった住居跡の発見には至らなかったため、第2次調査においても、引き続き貯蔵穴に関連する住居跡の確認に重点が置かれ、貯蔵穴の構造の把握も進められました。出土遺物(土器・石器・動植物遺存体)については、年代や用いられている技法の解明、使用用途の考察などが行われ、そのほか、理化学分析なども活用されたようです。
第2次調査は、昭和45年(1970)11月17日~21日に事前に予備調査を行ったのち、同年12月15日~24日までの10日間、本調査が実施されています。予備調査では、第1次調査の調査区の東側周辺を中心に、幅1m、長さ3〜30mの11か所の試掘坑(1T〜11T:Trench)を設定し、遺跡の概略の把握が行われました。そして、その結果をもとに、第1次調査地点の東側に接して新たに調査区を設定し、本調査が実施されています。
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第2次調査区設定位置図 |
その結果、第1次調査同様に11基の貯蔵穴が新たに確認されています。出土遺物も調査面積が増えた分相当な量に及んだようで、種類としては、石器・土器・木の実・木器・編物などが出土しています。
それでは、次回から第2次調査の詳細について紹介していくことにします。
(伊)R2.6.18