今回から第2次調査で得られた調査結果をもとに紹介していきたいと思います。
まず初めに、第1次調査で発見できず、引き続き貯蔵穴に関連する住居跡の確認を第2次調査においても行いましたが、結果としては今回も発見には至りませんでした。しかし、第1次調査で発見された7基の貯蔵穴に加えて、新たに12基の貯蔵穴が確認されました。
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第2次調査トレンチ平面図 |
今回の調査で出土した貯蔵穴の形は、1次調査同様に一定の基準は見られませんが、基本的に鉢型をしており大きさも深さも様々で、ものによっては壁面を共有しているものや隣接しているもの、1つの貯蔵穴なのか2つなのか不明な貯蔵穴が確認されました。
貯蔵穴の中でも特徴的なのが、一部の壁面を共有している3・7・10号の貯蔵穴は、2次加工の痕跡が確認され、深さではなく面的に広げたようでした。6号貯蔵穴では、木片で穴の底部に仕切りが施されていました。
今回発見された12基の貯蔵穴のうち、5基からは貯蔵穴の八分目まで木の実が敷き詰められていました。また、貯蔵穴の中でもチャンチンモドキ(ウルシ科の落葉高木で日本では九州でまれにみられるものらしく、その実は2~2.5cmで、渋い黄色い実が落下します。また、葉の形がチャンチンという全く別のものに似ていることからチャンチンモドキといいます。)というの実が4号貯蔵穴から多量に出土しました。
(伊)R2.7.9