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有田の陶磁史(163)

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前回まで、李朝の磁器は無文の白磁が基本で、染付を基本とする日本の磁器(朝鮮風に呼べば青華白磁)とは別物であり、仮に陶工の持つ李朝の技術をそのまま反映した磁器が染付磁器に先行して作られていたとしても、厳密に言えば、それは日本磁器のはじまりとは言えないということについてお話している途中でした。いや、あくまでも仮定の話ですよ。染付磁器に先行してそういう無文白磁が作られたという事実が、現在のところ明らかになっているわけではありませんから…。別に時期的な違いではなくとも、前回お話したように、製品のランクが異なれば、李朝色の現れ方の度合いが異なってくるわけですから。

 

と、記しても、無文だろうが何だろうが磁器質だったらやっぱり磁器だろうってご意見もあろうかと思います。ごもっともです。もちろんあえて分類するならば、磁器は磁器です。でも、現在日本磁器と認識されているものとは系列の繋がらない別物ということです。

 

すでに脱線ぎみなのは重々承知いたしておりますが、ややこしいので、ついでにもう少し脱線して説明しといてよろしいでしょうか。はい。ご了承をいただいたものと勝手に解釈して、脱線させていただきます。

 

“じき”を漢字で書くならば、現代の日本では、一般的に“磁器”と表記します。これは英語の“Porcelain”に相当する用語です。しかし、一方で“瓷器”という表記もあります。今の日本ではほぼ使うことはありませんが、中国などでは常用されます。ただし、日本でも、奈良・平安時代の古代にはすでに“青瓷”“白瓷”という名称の付けられたやきものが作られていました。ただし、読み方としては、“せいじ”、“はくじ”ではなく、より日本的に“あおし”“しらし”です。当然、日本では古代には磁器は開発されていませんので、緑釉陶器灰釉陶器のことですが、そういう陶器もかつては中国の“青瓷”や“白瓷”と同類のやきものとして認識されていたということです。また、現代の日本では“せいじ”は“青磁”と表記しますが、先述したように、中国では“青瓷”です。この“青瓷”日本では磁器に分類されますが、ヨーロッパなどでは“Porcelain”ではなく、“Stoneware”に分類されます。日本語に直すと“炻器”という区分です。ややこしいですね。では、“白瓷”はどうかと言えば、一般的には“Porcelain”ですが、“Stoneware”もあります。

では、なぜ日本では同じ磁器に分類される“青瓷”や“白瓷”が、ヨーロッパでは“Porcelain”と“Stoneware”に分かれるのでしょうか?込み入った話はカットしますが、ヨーロッパにおける“Porcelain”とは、ヨハン・フリードリッヒ・ベドガーが1709年にドイツで開発したような“磁器”のことを指します。つまり、当時、日本や中国から輸入されていた染付製品を基本とする磁器です。

 

この続きも一気に書いてしまおうかと思いましたが、まだ長くなりそうなので、とりあえず、今回はここまでにしときます。(村)R3.2.5

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