文字サイズ変更 拡大標準
背景色変更 青黒白

有田の陶磁史(292)

最終更新日:

 前回は、仮にここではBタイプとした、外面唐草びっしりタイプの青手って、本当に全部まとめて後期でいいの?って疑問から、ちょっと疑わせてねって話をしてました。そして、その本体の方をB-1タイプってしましたが、実はこのタイプも唐草の描き方や素地の質なんかで分けるとかなり種類があるって言いました。そして、その中でも石川県立美術館所蔵の「青手四葉座文輪花鉢」を例に、あれこれ話をしようかと思って、とりあえず、その内面の文様って、今では九州陶磁文化館では岩谷川内藩窯製品ってされている、「色絵唐花文変形皿」とよく似てますねってことで、本当にこれ無関係?ここではもともと青手って古染付・祥瑞系発ではってことで話がはじまってますので、岩谷川内山と言えば古染付・祥瑞系ですから、一歩前進です。それで、今日もその続きです。

 今度はB-3タイプとした「青手四葉座文輪花鉢」の外面ですが、高台内も含めて全体を黄色で塗って、葉文を黒で二方に描き、その間を茎や花のない唐草文で埋めています。このタイプの唐草文は、高台の側面まで描いているものも珍しくありません。高台径は、口径31cm程度に対して19.5cm程度ですから、結構広めですね。素地も白くて、別に隠さなくていいレベルですね。さて、ここからです。どこ から、話そうかな~?

 じゃあ、とりあえず口銹から行きますか。え~と、B類の場合、多くは口唇部に口銹が塗られています。そう言えば、以前、古染付・祥瑞系と南京赤絵系の口銹の話をしましたね。覚えてますか?端部がそのまま丸いままなのと、平らに切ってるものの違い。

 実は、多くのB類の口銹は端部を切ったものです。つまり、南京赤絵系の影響が伝わってからの製品ではってことです。それなら、この種の青手が後期に位置付けられてるのも納得ですね。ところが、ところがです。そうじゃない、B類があるんです。何を隠そうここで話してるB-3類です。試しに、前回掲示した中皿の例をご確認ください。この種類の場合は、端部を切りません。ほ~ら、また古染付・祥瑞系に、一歩前進じゃないですか。

 じゃあ、ほかに端部を切らない口銹を施す青手ってないのってことですが、これがあるんだな~。どんな種類だと思います?何を隠そう、ここではA類とした、裏に雲気文を描くタイプです。この種類は、古九谷様式の時期区分ではいつでした?そう、中期です。ほ~ら、B類は全部後期ってのも、少しあやしくなってきたでしょ。

 でも、まだまだありますので、続きは次回ということで。(村)

このページに関する
お問い合わせは
(ID:352)
ページの先頭へ
有田町役場 文化財課

〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号

電話番号:0955-43-2678

FAX番号:0955-43-4185

© 2024 Arita Town.