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西地区の遺跡 ~9~

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このシリーズについては、前回何を話していたか思い出すのにも苦労するくらい久しぶりです。見返してみると令和2年の8月でした…がんばります。

さて、前回?までは坂の下遺跡の1次調査が終わり、2次調査の石器類まで紹介したあたりまできていたので、今回は土器と網紐類について紹介して終わりたいと思います。

坂の下遺跡で出土した土器の様相やその編年については、3次調査後の内容で詳しく紹介していきたいと思いますが、今回の2次調査では、1次調査の時より調査面積が広かったこともあって多量に出土しており、文様構成も多種多様でした。基本的には、1次調査での分類(1~6類)を基準に、土器の口縁部(口の部分)を1~10類、胴部を3類に細分化しました。

口縁部の分類については、第1類は口縁部付近に棒状または指頭で楕円、長円形の連続した施文、2類は指頭または棒状のもので刺突するのみの施文、3類は「く」の字形の沈線と口縁部と平行する沈線を施文、4類は強弱のある斜行沈線を口縁部に沿って施文、5類は幾何学文様を口縁部全体に施文、6類は三又の文様を施文、7類は口縁部に平行した1~3本の沈線を施文、8類は磨消縄文を有する、9類は口縁部に文様が見られないもの、10類は土器の外側から刺突具で突き内面に隆起ができた突瘤文のものです。

胴部分類の土器は、第1類が直線や曲線、それを組み合わせたものなどバラエティに富んだ施文、2類はヘラ状の工具で胴部から底部へ垂直な沈線の施文、3類は文様を有していないものです。

所蔵する坂の下遺跡の土器(表採資料)

 

次に坂の下遺跡出土の網紐類で、籠、紐、アンペラ状の組物が貯蔵穴の中から出土しています。残存状況が部分的なこともあり、いずれも残存部位からの推定となっています。籠は浅い袋状のものや買い物籠のようなものであったと推定されます。紐は籠の持ち手部分と考えられています。アンペラ状組物は、貯蔵穴の底に木の葉や枝を敷く目的で作ったと考えられます。

これで2次調査までの紹介を終わらせて、次からは、3次調査までで得られた坂の下遺跡のまとめなどを何回かに分けていきたいと思います。(伊)R4.4.21

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