昨日、3月7日(月曜日)の午前中、復原修理事業を進めている異人館で、荒壁塗りを有田小学校の6年生17人に体験してもらいました。天候も春を思わせる陽気となって、泥んこ作業にはもってこいの一日となりました。
この技法は最近ではめっきり見られなくなりましたが、有田の宝物の一つである異人館の復原工事に自分たちも携わったという思い出を作っていただいたらどうだろうか、という異人館修理活用検討委員会で出された意見をもとに実施したものです。
まず、異人館の建物やその歴史について(池)から説明をし、その後、工事担当者である小林産業(株)の池田さんから作業の手順を説明していただいて作業開始!数十年後かにこの異人館の修理をするかもしれない、その時に解体するかもしれない部材の一部に今回の作業をした「証し」を残そうと、子ども達にマジックで壁板や柱などに自分の名前などを書き込んでもらいました。勿論、これは最終的には土壁の下に隠れてしまいますが…。
始めは恐る恐る泥に触っていた子ども達も、次第にその要領を飲み込むと、鏝や鏝板などの道具は使わずに手で丸めて直接壁に塗りつけていき、嬉々として作業を行っていました。
来週には小学校を卒業していく子ども達にとって、異人館でのこの思い出が、有田町の記憶の一部に残ることを心から願っています。
改めて、ここまで準備いただいた関係者にお礼申し上げます。(尾) H28.3.8