地震の影響もあってか、例年に比べるとその準備が遅いように感じていた有田陶器市ですが、今週に入り一斉に始まったようです。ぜひ多くの皆様にお越しいただきたいと思っています。

新着情報でも紹介していましたが、昨年度、さが段階チャレンジ交付金事業の一環で、有田陶磁美術館の看板娘「染付有田皿山職人尽し絵図大皿」（佐賀県重要文化財）の中の登場人物が動き出すアニメーションを制作しました。いよいよ陶器市初日の4月29日（金曜日）から大樽にあります有田陶磁美術館で一般公開を始めます。制作に関しては町内各関係者や佐賀市にある制作業者の方々には並々ならぬご協力、ご尽力を賜り、これらが誕生したものと思っております。改めまして皆様に御礼申し上げます。

映像に関しては、それぞれ約10分間の長さで、江戸時代のものと平成の時代のもの2本をDVD、ブルーレイ対応で2種類制作しましたので、高画質の映像でご覧いただけるものになっております。今後は町内各小中学校でも見ていただき、ふるさとの素晴らしさを実感してもらいたいと思いますし、また、有田町の400年事業で昨年から全国各地で「有田の魅力展」が開催されていますが、そのような会場でも流すことで、多くの方々に有田焼の理解を深めていただければと思っています。

実はこの職人尽し大皿に関して、以前九州陶磁文化館の鈴田館長がオランダ・メスタッフ美術館でほぼ同じ大きさで、少し文様の描き方が違う皿を発見され、世界中で2点と紹介してきました。ところが、つい最近、イギリスでも同じような皿が出てきました。この皿についてはイギリスに渡った経緯が辿れそうでもありますので、近い将来、この3枚の職人尽し絵図大皿の不思議なストーリーがご紹介できるのではと思っています。

有田の平成の職人尽し絵図大皿2枚は、江戸期の職人尽し絵図大皿と共に有田陶磁美術館で展示を行いますますので見比べてみてください。なかなかの出来栄えです。50年後、100年後の人々が「ああ、これが平成の職人さんの姿だったのね」と言っていただけるものと確信していますが、その感想を確認できないのが残念です。（尾）H28.4.27