第5回は、「大木神社肥前鳥居」です。
所在地は有田町桑木原乙1317にあります。昭和46年7月10日に町の重要文化財に指定されています。
肥前鳥居は佐賀を中心に福岡や長崎の一部で建てられています。肥前鳥居の特徴は笠木・島木・貫・柱が原則として2~3本の石材を継いで組立てられ、笠木と島木が一体化し、木鼻が船底状をしています。さらに柱の上端の笠木と島木を支える部分には台輪がつけられており、楔(くさび)を設けることがありません。
大木神社にある鳥居は地方色ある肥前鳥居で、笠木・島木・貫が3本継の石材で構成され、柱は2本継ぎで構成されています。笠木・島木は一体化し舟の舳先のように反り、柱は下になるほど太くなっています。有田町内でこの肥前鳥居は唯一のものではありますが、造立者や造立年代が不明です。鳥居に使用されている石材は蜂目石とよばれる、八幡岳で採取できる蜂の巣のような表面をした多孔質な凝灰岩です。実際に近づいて確認すると、蜂の巣のように多くの穴が開いていました。
大木神社の入口に鳥居はあり、車を停めるところもあるのでゆっくり見学することができます。あまり鳥居を意識せずに神社などに行かれていた方も、これからは少し意識を向けてみてはいかがでしょうか。
(伊)H28.6.16