今回も文化財シリーズをお休みして、先週の8月9日、10日の2日間で有田工業高校の生徒2名が、文化財課へインターンシップとして来ていましたので、そのことについてお話しようと思います。
1日目は、文化財課という課を知ってもらうため、先ずは課のある出土文化財管理センターの案内と、有田町歴史民俗資料館の案内をしました。それぞれの建物には何があるのか、何をしているのか説明しました。
その後、有田町の窯跡から採集された実際の遺物がありましたので、整理作業の一環として最初に遺物の洗浄を行いました。(採集されただけの陶片は泥だらけなので)洗浄した遺物が乾燥するのに1日はかかるので、乾燥させている間、午後からは実際の陶片の実測作業(実測作業とは、上から見た図や正面、左右、断面などの図を鉛筆の2Hや3H等濃さを使い分けて遺物を図に表わす作業)を行いました。どのように実測を行うか手順を教え、実際に書いてもらいましたが、細かい作業や方眼紙のマス目の数を見るのに苦戦していました。
2日目の午前中は、昨日の続きで実測作業です。作業としてはトレース作業(薄く透けている用紙にロットリングというペンで書き写すようになぞってもらいました。)まで行ってもらいました。実測が終わり次第、実測を行った陶片の写真撮影(裏表)も行ってもらいました。
午後は、資料館の作業で町屋の模型作りの準備の手伝いをしてもらいました。2時頃からは、有田町内の窯跡など文化財を見てもらうため、様々な場所へ行きました。泉山磁石場、天狗谷窯跡、稗古場窯跡、天神山窯跡、掛ノ谷窯跡、原明窯跡へ行きました。行ったことのないところが多かったということで、関心を示してもらえたように感じました。また、文化財が山奥や藪の中にあることを実感してもらいました。
戻ってきた後に、昨日洗浄した遺跡の陶片へ注記作業(注記作業とは、陶片一つ一つに小筆等を使用して小さな字で年度・採取場所・遺跡名等を記入する作業)を行ってもらいました。初めての作業にしては上手に注記を行えていたように思います。
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整理作業中! | 遺跡見学中! |
今回は文化財課の仕事として、整理作業を主に行ってもらいましたが、そのほかにも調査や文化財の保存活用など様々な仕事をしていることを伝え、インターンシップを終了しました。少しでも文化財というものが何であるか伝わってもらえればと思いました。
(伊)H28.8.17