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中島浩氣さんと「肥前陶磁史考」

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先週金曜日の佐賀新聞に、有田焼400年の群像シリーズで中島浩氣さんのことが紹介されていました。このブログでも何度となく中島さんのことを紹介してきましたが、今回、佐賀新聞の記者が取材に来館された時に、神奈川県にお孫さんの雪竹欽哉さんが健在ですとお伝えしましたところ、東京支社から雪竹家を訪問され、中島さんが眠る鎌倉霊園で撮影が行われたと伺いました。

(尾)も十数年前に葉山のご自宅を訪問し、中島さんが描いた絵や俳句を拝見し、生前のお祖父さまの事などをお聞きしました。その折にはお祖父さまはいつも静かに机に向かって何かを書いていたこと、孫達に動物や昆虫などの絵を描いてくれ、それがとても上手く描けていたことなどをお話くださいました。欽哉さんは出版関係にお勤めだったということですし、弟さんも群馬県渋川市で病院を営まれていて、その傍ら小説も書かれているということで、浩氣さんのDNAが確かに受け継がれていると感じました。お話を伺った後で、近くの鎌倉霊園の墓地にも案内していただきお参りすることができました。

話が少しそれますが、この鎌倉霊園というのは見渡すひと山すべてに墓碑が立ち並んでいるという、壮大な場所です。たまたま先日、堤清二著「罪と業 『最後の告白』」を読んだのですが、その中に、西武が開発したこの55万平方メートルもの広大な鎌倉霊園の中には、古墳と見まがうばかりの堤家の墓地があり、以前は社員が交代で墓守りをしていたことなどが書かれていました。

でも、中島浩氣・ワサご夫妻の墓碑は、キリスト教の信者の方たちと一緒に埋葬された墓域にあり、一途に陶磁史研究に打ち込んだ浩氣さんそのもので、静かに故人を偲ぶ場所となっています。

なお、雪竹家からはこの度、ご兄弟が所蔵されている浩氣さんの資料をまとめて当館へ寄贈しますという有難いお申し出をいただきました。昭和30年に発刊された「肥前陶磁史」の直筆の原稿も所蔵しておりますので、近日中に公開できればと思います。

ちなみに、当館では昭和11年に発刊された「肥前陶磁史考」を3冊、その後、昭和60年に熊本の青潮社が再版されたものを所蔵しています。そのほか、前年の10年に発行されたと思われるパンフレットも1部あり、そこには定価5円のところ、予約特価として3円80銭の価格が明記されています。そして発刊に寄せての名誉賛助員として当時の佐賀県知事・古川静夫氏のほか、佐賀市図書館長の千住武次郎氏や長崎市の郷土史家の古賀十二郎氏をはじめ、星製薬の星一氏や森永製菓の森永太一郎氏など計100人以上の多彩なメンバーが名を連ねています。(尾)H28.8.30

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昭和11年発行の肥前陶磁史考と附録

発行案内パンフレット

 

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