文字サイズ変更 拡大標準
背景色変更 青黒白

山辺田遺跡の出土品(12)

最終更新日:

山辺田窯跡では、磁器は1610年代頃から廃窯となった1650年代まで継続して焼成されています。当初は碗や小皿など小型の製品が主体ですが、1630~40年代になると、大皿や中皿が目立つようになります。

yanbeta18
染付輪花中皿

写真は山辺田遺跡から出土した1630~40年代頃の中皿で、内面胴部に陰刻文が巡らされています。内底部は花に見立てた文様になっており、中央部には紗綾形文が円形に配されています。また、輪花状にした口縁部は折縁になっており、四方襷文が巡らされています。

山辺田窯跡は、約半世紀に渡って操業した窯場ですが、その間に作られた磁器は、同じ初期伊万里様式であっても、当然時期によって器形や文様などは変化します。加えて、胎土の質や染付の色調などにもある程度時期差が見られ、平均的に最も胎土が白いのは、意外にも1610年代~30年代頃の製品です。ただ、これはほかの窯場でも共通しており、続く1640年代頃には青みを帯びたものが多くなります。山辺田の窯場でも同様で、1630~40年代頃にはやや青みを帯びるのですが、製品の質的には最も良好な製品が作られた時期で、色調の濃い呉須で多彩な文様が施されます。しかし、1650年代頃には、文様もラフになり、呉須の色調も黒ずんだものや酸化ぎみでやや緑がかったものなどが多くなるなど、明らかに質的な劣化が認められます。
(村)H28.9.23

このページに関する
お問い合わせは
(ID:676)
ページの先頭へ
有田町役場 文化財課

〒844-0001 佐賀県西松浦郡有田町泉山一丁目4番1号

電話番号:0955-43-2678

FAX番号:0955-43-4185

© 2024 Arita Town.