先週土曜日の2月18日、今回で7回目となった「町屋で昔話を聞く会」を新装なった有田異人館で開催しました。毎回、有田町公民館との共催で開催していますが、今回も22人の子どもたちが参加してくれました。

お話は読み聞かせのボランティア・ひこうせんの三人の方々です。今回は異人館での開催ということで、最初に歌詞の中に「異人さんに連れられていっちゃた♪」の文言がある「赤い靴」の歌をみんなで歌いました。でも、今の子どもたちは異人さんという言葉を理解できたでしょうか？私どもの幼い頃は、どこかの港から否応なく外国へ連れ去られた女の子のかわいそうな歌という印象がありました。

最初に紙芝居「ぜにくそうま」を佐賀弁で面白くお話され、次は「だいじょうぶだよ　ゾウさん」と「鬼といりまめ」の絵本を読んでいただきました。

その後、異人館の中を見学してもらいました。明治9年に建てられた異人館ですが、その2年前に石倉(現在の有田陶磁美術館)が建てられています。それを引き合いに出して、そのような奇抜なものを建てるなという父親の反対を押し切ってこの異人館（当時は西洋館とも）を建てた田代助作さんでしたが、まさか1世紀半後には有田の町並みにしっくり溶け込んでいるとは思いもよらなかったでしょうし、今や有田の顔の一つとなった姿をどのように見ているのでしょうか。

ひこうせんの皆さんの読み聞かせを子どもたちと一緒に聞かせていただきながら、昔話や古い写真、いにしえの道具などを使って子どもたちだけではなく、昔の有田をご存知の高齢者の方にも何かできないものか考えています。去り行く者が次の世代の職員へ課題を背負わせてしまうことになるのかもしれませんが、資料館・博物館が担うべき責務のような、そういうことを思った一日でした。（尾）H29.2.21