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有田の窯跡4 -年木谷3号窯跡-

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第4回は、「年木谷(としきだに)3号窯跡」です。
所在地は有田町泉山1丁目にあります。史跡には指定されていませんが、調査により2基の窯体が確認されています。この窯の近くには、以前紹介をしました年木谷1号窯と2号窯跡が所在します。

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年木谷3号窯跡遠景
(左の家へ登る方向に新窯、右の家の向こうに旧窯があります。)
 

発掘調査は、1993年と1996年に有田町教育委員会が主体となって調査を行っています。その成果を報告書として、1994年3月に『小溝上窯・年木谷3号窯』を、1997年3月に『枳藪窯・年木谷3号窯』をいずれも町内古窯跡群詳細分布調査として刊行しています。なお、本報告書については2冊とも有田町歴史民俗資料館にて販売しております。残部についてはご確認ください。
調査により確認された窯体は、旧窯と新窯の2基です。旧窯は、上部の3室が残存、下部は畑地となっており調査による確認は行っていないものの、残存している可能性はあります。物原については、未調査の畑以外は壊滅的で、調査を行った箇所も削平をうけており、遺存状況は悪いです。新窯は、上部6室の残存は良いが、下部については宅地などで残存しているかは未調査のため不明です。物原は窯体に近接した山の斜面に残存しているが、2次堆積が著しく見られます。

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年木谷3号窯跡近景(第8室奥壁)
 

旧窯の出土遺物は、粗雑な小皿を主として生産しており、染付や白磁の皿が出土しています。製品については以前紹介した、楠木谷窯跡や枳藪窯跡のものに類似しています。窯道具はトチン、ハマ、ボシなど出土しています。新窯は、染付碗を主として生産し、小形の製品がほとんどで、他に白磁や青磁が出土しています。窯道具は旧窯同様のもののほか、チャツやシノが出土しました。操業年代は旧窯が1650年代、新窯が17世紀末から20世紀と推定されます。
調査を2度行った年木谷3号窯跡は、今では山林に戻り、説明板や標柱がある場所は、季節によっては近寄るのも困難な場所になっていますが、新窯は窯が露出しており見やすくはあります。ただし、民家の裏手にあるので、ご迷惑をかけないようお願いします。また、イノシシやヘビがよく出るとのお話も伺ったので、くれぐれもご注意ください。(伊)H29.6.15

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