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山辺田遺跡の出土品(36)

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前回に引き続き、山辺田遺跡から出土した古九谷様式の染付変形小皿です。

変形皿には大別すると高台の形状により、3つの種類があります。一つは、型打ち成形によるもので、あらかじめロクロ成形しますので高台は丸くなります。ただし、初期伊万里に多く、18世紀後半以降に再び散見されるようにはなりますが、古九谷様式の製品としては、はっきりと記憶に残る例がありません。二つ目は、前回の山水文葉形皿のように、糸切細工による不定形の高台を付けるもので、この場合は、通常、たとえば葉形や富士山形などをはじめ、何かのモノの形を模した皿などに用いられます。そして、3つ目が本日の製品のような正方形や長方形など単純な形の高台を付けた皿で、糸切細工ですが、皿の形も方形を呈します。ただし、口縁部の四隅は隅切りなど、多少加工が加えられているものは珍しくありません。

写真1は小片なので図として全形を復原できませんが、類似した伝世品も珍しくないので、長方形の染付小皿であることが分かります。見込みには、染付による山水文が描かれており、口縁部付近には白抜きした唐草文が巡らされ、口縁端部には口銹が施されています。外面は胴部に唐花文が配され、高台外直下に一重の圏線が巡らされています。高台内の残存部には、圏線などは残りません。

実は、山辺田の窯場の変形皿の場合、色絵やその素地が大半を占めますが、高台を変形に作るものは少なく、多くは方形の高台とするものです。しかも、高台内に一重の圏線を配すものが一般的で、少なくともこれを染付で施す例は、山辺田の窯場以外にはありません。こうした製品は、まだ山辺田の窯場で染付を伴う素地だけが作られていた時期か、少なくとも操業途中で出現する白磁の素地の普及以前と推測され、相対的に早い段階の変形皿と考えられます。

ただし、今回の染付変形皿は、そうした高台内に染付圏線を配すようなタイプとは異なります。後に内山と称される有田東部の地域で主体的に作られているようなもので、この製品自体は焼成が甘くやや酸化して黄みを帯び、呉須も黒ずんでいますが、本来素地が白くて薄く、キリリとした造形を特徴とするタイプです。山辺田の本来の技術に基づくものではなく、東部の窯場からの影響が西側に及んだことにより、山辺田の窯場でも少量生産されたものだろうと思われます。したがって、伝世品や消費遺跡で出土したものがあっても、構図や造形がまったく同じでもない限り、山辺田の窯場の製品だとは判断できないタイプです。(村)H29.6.23

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図1 染付山水文変形皿

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