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有田の窯跡6 -山小屋窯跡-

最終更新日:

第6回は、「山小屋(やまごや)窯跡」です。

当窯跡は有田町中樽一丁目に所在します。史跡には指定されていません。
有田町の窯跡を地区の順に紹介するならば、前回紹介した小樽1号窯跡の次は小樽2号窯跡なのですが、小樽2号窯跡は過去に、有田町の指定文化財シリーズ(19)にて紹介させていただきましたので省きます。

yamagoya

山小屋窯跡

山小屋窯跡の存在を記す記録は見つかっておらず、近接した山小屋遺跡を、昭和61(1986)年度に有田町教育委員会が主体で発掘調査を行っています。調査成果については、昭和62(1987)年3月に『山小屋遺跡』を有田町教育委員会が刊行しています。刊行している報告書については、在庫はありませんのでご了承ください。

窯跡の遺構は未発見で、おそらく宅地により段状に削平されており、未調査ということもあり不明ではありますが、そのほとんどが壊滅の可能性があります。物原も部分的に残存しているだけとなっています。
窯跡に近接した山小屋遺跡を調査した際に発掘された遺物は、小皿が主体で、他の窯に比べると鉄釉皿が多く出土しています。また、多様な技法が用いられており、他の出土遺物も、陶器は三島手の碗、磁器は染付の多様な製品、白磁、青磁、鉄釉、瑠璃釉の碗や皿などのほか、黄釉の鉢が出土しています。出土遺物から1640~50年代初頭の遺跡であることが推定されています。窯道具についてもトチン、ハマ、ボシが併用して使われており、ハマは円板形、ボシはロクロ成形で作成されています。

現在の山小屋窯跡は、上有田駅から西へ少し進んだ線路脇の天満宮の近くに標柱が立っている付近が窯跡です。標柱と説明板がありますが、季節によっては近寄れません。道路から見上げると、家が建っておりで分かりづらいですが、およそ登り窯の所在の予想ができます。そして、山小屋遺跡の所在はその道路付近が当該地です。(伊)H29.7.6

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