先週の9月6日～8日までの3日間、有田中学校2年生の生徒2名が、学芸員の仕事を体験するために有田町歴史民俗資料館・文化財課へ職場体験に来ていましたので、そのことについてご紹介しようと思います。

遺物洗浄中！	実測作業(1)

1日目は、文化財課という課を知ってもらうため、有田町歴史民俗資料館・有田焼参考館の案内と出土文化財管理センターの案内をしました。それぞれの建物には何があるのか、何をしているのか説明しました。その後、そもそも文化財とは何なのか、仕事内容や基本的な文化財に対する説明を座学という形で説明しました。

午後からは、町内の窯跡から採集された実際の遺物の洗浄を行いました。(採集されただけの陶片は泥だらけなので)また、洗浄した遺物は乾燥するのに1日はかかるので、その間に陶片の実測作業(実測作業とは、上から見た図[俯瞰図]や正面、左右、断面などの図を鉛筆の2Hや3H等濃さを使い分けて図に表わす作業)を行いました。実測方法や手順を教え、実際に書いてもらいましたが、その陶片を如何にして見る人に情報を伝えることができるか、細かい作業や方眼紙のマス目の数を見るのに苦戦していました。

実測作業(2)	注記作業！

2日目の午前中は、昨日の続きで実測作業です。作業としてはトレース作業(薄く透けている用紙・トレーシングペーパーにロットリングというペンで書き写すようになぞってもらいました)、陶片の写真撮影(裏表)まで行いました。そして、昨日洗浄した陶片へ注記作業(陶片一つ一つに小筆等を使用して小さな字で年度・採取場所・遺跡名等を記入する作業)を行ってもらいました。苦戦していましたが、初めてにしては上手に注記が出来ていたように思います。

遺跡見学1	遺跡見学2

3日目は、町内の遺跡見学に行きました。有田中学校区ということもあり、磁石場や天狗谷窯跡、異人館には来た事があったようです。しかし、西地区の唐船城や坂ノ下遺跡、原明窯跡は行ったことがなかったようで、関心をもってもらえていたらと思います。午後からは、本格的に展示作業を行い、キャプション作成をして実際に展示ケースの中へ展示するものを並べ、最後は無事に完成しましたが、どのように見せるか悩んでいました。

展示準備中！	完成！！

今回の職場体験を通して、少しでも文化財というものや、文化財課ではどのような仕事をしているか伝わってもらえればと思います。また、中学生による展示ブースはしばらく展示していますので、是非ご覧になってはいかがでしょうか。（伊）H29.9.14