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有田の窯跡15 -下白川窯跡-

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第15回は、「下白川(しもしらかわ)窯跡」です。
所在地は有田町白川一丁目にあります。史跡には指定されていませんが、発掘調査では1基の窯体が発見され、もともと4基程度の窯体があった可能性が推測されています。

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               写真(1): 下白川窯跡

発掘調査は、九州陶磁文化館が調査主体となり、1987年に行われています。その後、1988年に『下白川窯・年木谷1号窯』が九州陶磁文化館より刊行されています。
最後に構築された窯体が現在でも良好な状態で地表に露出していますが、その窯体の下にもさらに古い時期の物原が遺存していることが確認されました。しかし、下白川窯跡のほとんどに建物が建っていて全貌を確認することはできていません。
古文書や古地図にも下白川窯跡について記載があり、1653(承応2)年の記録に「下白川山」が出現し、「竜泉寺過去帳」には1671(寛文11)年の記録から上・中・下の区別がなくなり、「白川山」に変わっています。そのため、この頃までに上白川山(天狗谷窯跡)や中白川山(中白川窯跡)が廃止され、白川山の窯場が下白川窯跡だけになったものと推測されます。また、1814(文化11)年の記録では22室、1859(安政6)年の絵図には21室、1885(明治18)年の『陶器根居簿』にも使用されていた白川窯の記載があります。

出土遺物は、陶器が陶胎染付の碗、磁器が染付や白磁、青磁、鉄釉が出土しています。物原の調査では、17世紀後半頃を主体に1630年代以降の製品が発見されており、露出している窯の焼成室内からは近代以降の製品が出土しています。これらから、窯場としての操業期間は、1630年代~20世紀を含む時期であることがわかっています。

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                写真(2): 下白川窯跡奥壁

 

下白川窯跡は、私有地内にありますが、小道から確認することができますし、標柱と説明陶板が道路からも見えますので、現地はすぐにわかると思います。江戸後期に築かれたものですが、現在も窯体が一部露出していますので見栄えはすると思います。(伊)H29.10.5

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