先日、江戸時代の絵師・齋藤秋圃に関する「太宰府の絵師調査報告一　齋藤秋圃・梅圃関係資料」という分厚い報告書をご恵贈いただきました。
これは太宰府市にお住いの齋藤家（ご子孫）に伝わっている画稿や文書類に関する調査報告書です。

以前、このブログで紹介したかと思いますが、福岡の絵師・齋藤秋圃はおそらく天保のころにこの有田皿山を訪れて、各家や寺社に屏風や掛け軸、絵馬などを残しています。

今回の報告書には、おそらくこの有田滞在中に描いたであろう有田の人物の絵が数点ありました。一つは「有田　儀平　九十一才」とあり、二つ目は「後藤祐誓(哲カ)」、そして三つめが「赤絵屋栄助松臣」と表記されているものです。これらの人物は今までも多くの資料の中でお目にかかった名前ではありますが、改めてこういうお顔であったのかと興味深く拝見しました。

先週の6月16日（土曜日）、太宰府市ふれあい館で、「齋藤秋圃と梅圃」展が開催中であり、またこの調査に基づいて齋藤秋圃研究の第一人者である橋富博喜近畿大学教授の講演会「齋藤秋圃研究の歴史」が開催されましたので行ってきました。実をいいますと橋富先生は(尾)の高校の先輩であり、亡父の教え子でもあるという不思議なご縁の方でもあります。

今回の講義では、齋藤秋圃に関する研究の歴史を、150枚ほどのスライドを使って説明くださいました。そしてまだまだ研究や秋圃が描いたものの発掘はこれからだということでしたが、有田町でも今後調査を続けていけたらと思っています。

齋藤秋圃展は7月16日(日・祝)まで、大宰府ふれあい館(電話　092-928-0800)で開催中です。お近くの方はぜひご覧ください。(尾)H30.6.18