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有田の窯跡31 -小溝下窯跡-

最終更新日:

第31回は、「小溝下(こみぞした)窯跡」です。
所在地は有田町南原です。史跡には指定されていません。

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小溝下窯跡

小溝下窯跡は、有田町教育委員会が調査主体となり、1987年度に発掘調査が行われています。その後、1988年に『小溝中窯・小溝下窯・清六ノ辻1号窯・清六ノ辻大師堂横窯』が有田町教育委員会より刊行されています。

発掘調査で確認された窯体は1基で、6室が遺存していました。窯上部が残っており、下部については、堤などによりほぼ壊滅状態と考えられます。
遺物は、陶器と磁器が出土しており、陶器は灰釉や鉄釉の碗や皿、磁器は染付の碗や皿、鉢、瓶、壷のほか白磁や瑠璃の皿が出土しています。大皿や袋物が比較的多く確認できました。出土遺物から1610年代~1630年代の操業と推測されます。残っている文献で『今村氏文書』には、小溝山の記載があり、小溝山は金ヶ江氏や家永氏ゆかりの窯場である可能性もあるそうです。

小溝下窯跡は、近隣に次回以降紹介予定の小溝中窯や小溝上窯が所在しています。近くには標柱や陶板が建っていますが、山の中や、私有地や溜池の近くにあり、容易には見つけることが難しいかもしれません。また、草の生茂る季節には標柱等も隠れているかもしれません。現地を訪れる場合は十分に気をつけてください。なお、発掘調査報告書については、有田町歴史民俗資料館において取り扱っておりますので、お問い合わせください。(伊)H30.7.19

 

 

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