立春が過ぎ、毎年恒例となったエントランスホールでのミニ展示として館蔵の雛人形を展示しました。作業を進めていた時に来館された男性三人組の皆様から「これは焼き物?」という質問がありました。残念ながら焼き物ではありません。これらは町内の保育園から古くなったのでと寄贈されたものです。
でも、昭和8年(1933)に「今泉家から寄贈」と箱書きされたものもあり、御殿雛などはなかなか見応えがあります。さらに、毎回感心するのですが、牛車や駕籠、鏡台などの道具類は漆器で細かい細工や絵模様が施されています。最近はプラスチックが主流で、このような木製の漆器などもあるものの、高価です。
人形そのものは古びていますが、女の子の健やかな成長を願う思いはいつの世も変わりありません。赤絵町の今右衛門窯の母屋には毎年、小さな食器に細やかな絵文様が施された製品が展示されます。今年もまた、それらの製品に会いに行きたいと思います。(尾)H31.2.11